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概要

エコジン02・03月号

ECOJIN GLOBAL WARMING WORLD NEWSOVERVIEWCOP20からCOP21へ新たな温暖化防止の国際的な枠組み採択に向けて1992年、地球温暖化の防止を目的として採択された「気候変動枠組条約」。その締約国が集まり、1995年から毎年、同条約の締約国会合(COP)が開催されている。これまで190を超える国や地域の代表、研究者、NGO関係者が参加して各国の温暖化への取組や目標が議論されてきた。20回目となるCOP20は、2014年12月にペルーのリマで開催された。議論の焦点となったのが「2020年にスタートする新しい温暖化防止の国際的な枠組み」についてだ。既に先進国に削減を義務付けた枠組みとして「京都議定書」はあったものの、今や排出量最多となった中国に削減義務がない、排出量第2位の米国が参加していない等の課題もあった。議定書の第二約束期間が終了する2020年以降の新たな枠組みは、こうした課題を解消しすべての国が参加する枠組みを目指している。今回、世界最大の排出国である中国と第2位の米国が、COP20開催前の11月に首脳会談を開き、共同声明の形で自主目標を公表し、交渉の主導権を握った。米国は「2025年に2005年比で26~28%温室効果ガス排出量を減らす目標」を、中国は「2030年をピークにCO?排出量を減らし、エネルギー会場で日本としてのステートメントを発表する望月環境大臣COP20会場入り口消費に占める化石燃料以外の比率を20%に高める方針」を示したのである。EUも「2030年までに温室効果ガスを少なくとも1990年比で40%削減」という独自目標をすでに発表している。2015年12月にパリで開催予定のCOP21では、これらを踏まえ新たな枠組みの採択を目指す。この枠組みでは、すべての国が自主的に削減目標を掲げることになる。かつては、「歴史的にCO2を大量に排出してきた先進国の方が、より多くの責任を負うべきだ」との考え方が主流だったが、中国やインドが急速な経済発展によって世界第1位、第3位の排出国になるなど、近年、温暖化をめぐる世界地図は大きく塗り替えれた。このままの状態が進めば、今世紀末の世界の平均気温は最大4.8度、海面は82センチ上昇する恐れがあるとIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)は警告する。熱波や洪水などの気象災害が増加し、食料不足とそれにともなう紛争が起きるリスクも高まるとされる。温暖化が待ったなしの課題となった今、パリで決まる2020年以降の新たな枠組みをどれだけ実効性のあるものにできるか、世界各国の姿勢が問われている。15