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概要

エコジン02・03月号

WORLD NEWSECOJIN GLOBAL WARMING WORLD NEWSVOLUME . 4Republic ofINDONESIAインドネシア森林破壊と温暖化~日本の協力で対策を推進~February-March 20152009年、インドネシア前大統領は、「2020年までに、対策を講じなかった場合に比べ、温室効果ガス排出量を2 6 %(国際支援により4 1 % )削減する」という自主目標を発表している。その後、目標を達成するため「温室効果ガス排出削減国家計画(RAN-GRK)」が策定された。「森林破壊による泥炭地湿地帯からの排出」を含めると、インドネシアは世界第3位の温室効果ガス排出国となる(国際湿地保全連合、2007年)。これは、パームオイルや木材・紙パルプ原料生産のために、森林伐採が進み、その影響で泥炭地の乾燥が起こり、二酸化炭素が放出されてしまうという現象である。日本は、JICA(国際協力機構)などを通じて、同国の温暖化対策を支援している。JICAの川西正人・国際協力専門員は、「たとえば、『気候変動能力強化プロジェクト』では、インドネシアの国家機関に対してRAN-GRK策定・実施の支援を行うなど、制度設計の面で日本の経験を生かして協力を行っています」と話す。インドネシア・西カリマンタン州のケタパンで、パーム油製造のため、広域に渡って伐採された森林写真/AFP=時事東ジャワ州でJ I C Aが行った、気候変動適応に関する農民集会の様子WORLD NEWSECOJIN GLOBAL WARMING WORLD NEWSVOLUME . 5MONGOLIAモンゴル温暖化と「ゾド(寒雪害)」~日本の協力で「適応策」を模索~February-March 2015を越せるだけの脂肪を体に蓄えられなくなってしまう。特に、現地の言葉で「ゾド」と呼ばれる厳しい寒波に襲われると、大量死が起こる。2010年には約900万頭が死んだという。家畜を失い、新たな職を求め、首都ウランバートルへと移住する遊牧民も増えている。そこで、今年度から日本政府が支援をスタートするのが、太陽光発電等を(C)HOTEL BRAVO FILMゾドと呼ばれる厳しい寒波で大量死してしまった家畜たちモンゴルは、国土の6割を永久凍土が占めているが、現在、地球温暖化の影響と思われる原因で凍土の融解が進んでいる。凍土が解けると、土壌の水分が減り、草原が育ちにくなる。すると、羊や山羊といった家畜は、冬使った食肉冷凍設備の設置だ。「夏の干ばつの程度や牧草の生育状況等から、“その冬大量死が起こりそうか”は予測することが可能です。大量死の可能性が高い場合、早めに家畜を処理し、食肉として冷凍保存しておけば、翌年、市場へ出すことができる」と、プロジェクトリーダーの中央大学・渡邉正孝教授は話す。日本の協力で、モンゴルの温暖化適応策が進みつつある。14