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概要

エコジン10・11月号

ecojininterviewSHUZO MATSUOKAESDを知ることで、子どもも大人も環境のことを考えるきっかけが生まれたら嬉しい。テニス選手として海外を転戦し、また最近ではスポーツキャスターとしても、世界中のいろんな場所でスポーツに触れている松岡修造さん。特にオリンピック招致に関わるようになってから、スポーツと環境の関係について考えるようになったそう。「僕は長野オリンピックからキャスターとして関わるようになったのですが、以降“環境オリンピック”という言葉を耳にする頻度が、どんどん高まっていると思います。特に意識したのは北京オリンピックのとき。そのときは大阪と招致を争ったんですが、北京は環境の話しか打ち出してないんじゃないか?!というくらいの熱心さで、招致活動をしていたと思います」冬のオリンピックでは、スキーやジャンプの競技は雪山で行われるもの。そして見ている人は、“自然の雪の上を滑っている”と思っているに違いない。「でも、実際はそうではないこともあるんです。選手が滑っている山の隣を見ると、雪が全然積もっていないハゲ山がある。それを見てしまうと、“本当にこのままでいいのかな?”と否が応でも思わせられますよね。実は長野オリンピック後に開催されたIOC長野環境総会で、僕もそこに出席していたのですが、教授や委員の方々が、“将来的には宇宙でオリンピックを開催することになる”とか、“地下でやることになるかもしれない”という話を、本当に真剣にしていたんです。つまり、このまま環境が悪くなると、地球上ではもうオリンピックを開く場所がなくなるよ、ということ。スポーツは、自然があってはじめてできる種目も多い。だからスポーツと環境って、すごく密接なんですよ」ご自身も、試合が開催されたエリアの空気悪化のために、試合を棄権された経験があるそう。「そんなに大きな大会ではなかったんですが、僕は第一シードで、順調に勝ち上がっていたんです。でも試合中に光化学スモッグが原因で呼吸困難になったため、ドクターストップがかかってしまい、試合を棄権せざるを得なくなったのです。怪我以外の理由で試合を途中棄権するという経験は、今までにありませんでした。他にも何人か同じようにリタイアした選手がいると聞いて、そのときに、環境が悪化するとスポーツができなくなる、というのを身をもって実感しましたね」04