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概要

エコジン10・11月号

注意報激しい雨が降る回数が増えています地球温暖化の影響は、降雨量にも影響を及ぼし、今後さらに大雨の発生数が増加する可能性も予測されています。IPCCにおいては、既に北アメリカなど一部地域では「季節や地域による違いはあるものの大雨の頻度ないし強度が増加している可能性が高い」と指摘されています。日本では全国約1,300地点の地域気象観測所(アメダス)で降水量の観測を行っていますが、この38年間の傾向をみると、1時間の降水量が80mm以上となった1,000地点あたりの年間の回数が右肩上がりになっていることがわかります(右図参照)。1時間に80mm降る雨は「傘は全く役に立たなくなる」「息苦しくなるような圧迫感がある」と表現されるほどの雨。このような激しい雨が降る回数が増えているのです。1000地点あたりの観測回数4035302520151051時間降水量80ミリ以上の年間観測回数(アメダス)1916161510119 9876529赤い線は期間にわたる変化傾向(出典:気象庁)151012111110106 631281110※短時間強雨の発生回数は年ごとの変動が大きく、それに対してアメダスの観測期間は比較的短いことから、変化傾向を確実に捉えるためには今後のデータの蓄積が必要。22152422821251815161412019751980198519901995200020052010年注意報気象予測を上手に活用して対策しよう!局地的に短時間で激しい雨が降る、いわゆる「ゲリラ豪雨」が増えていることを感じている方も多いのではないでしょうか。気象庁では、こうした雨に備えてもらうため、今年8月から「高解像度降水ナウキャスト」の提供を開始しています。これは250m四方という細かい範囲で、現在から30分先までの降水の強度を5分間隔で予測するものです。竜巻や雷の注意報とも併せて表示でき、スマートフォンにも対応しているので外出先でも利用しやすくなっています(URL : http://www.jma.go.jp/jp/highresorad/)。また昨年8月から「特別警報」の発表も行われるようになりました。特別警報が発表された場合は、数十年に一度しかないような非常に危険な状況にあるということ。ただちに命を守るための行動をとるようにしてください。高解像度降水ナウキャスト(出典:気象庁)本日のコミュニケーター:水越祐一さん気象予報士。神奈川県生まれ。京都大学理学部卒業後、1998年に財団法人日本気象協会に入り、関西支社に配属となる。NHK大阪放送局「ニュースかんさい発」や「ニューステラス関西」など、主に関西のテレビ番組で気象キャスターをつとめ人気を博す。2009年からNPO法人気象キャスターネットワークの事務局スタッフに。地球温暖化や気候変動などをテーマにして数々の講演を行う。21