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概要

エコジン10・11月号

応用編特別講義今回の講師宇野治先生公益財団法人日本環境協会常務理事エコマーク事務局長世界の国々には、それぞれ独自の環境ラベル制度があります。環境ラベルの中で、日本のエコマークのように第三者機関が認定している「タイプI」ラベルは、世界40カ国以上の国や地域で実施されています。エコマーク事務局では、こうした世界の環境ラベルとの相互認証実現に向けて取り組みを進めています。相互認証とは、おもに2国間で輸出・輸入される商品を対象に、各ラベル制度における基準を可能な限り共通化し、その共通基準項目についての審査結果を、他のラベルの審査においてそのまま利用できるようにする制度です。各ラベル制度は、商品のカテゴリごとにそれぞれ認定基準を設けています。同じカテゴリで設定された認定基準については、ラベル制度ごとに基準項目が共通している部分もありますが、一致していない部分もあります。そのため、ある企業が商品を海外に輸出しようとするとき、輸出先の環境ラベル認定を個別に取得していたのでは、商品の開発・製造コストがかさむだけでなく、認証・審査にも時間がかかるなどのデメリットが生じてしまいます。この制度の導入によって、互いの国で環境ラベル取得に要する手続きや書類審査が簡素化され、認証までのスピードアップとコスト削減が実現するため、輸出の際に環境ラベル取得を希望する企業にとってメリットになるというわけです。さらに、多国間で環境ラベルの取得が進むことによって、環境ラベル認定商品が浸透し、“地球規模での環境負荷低減”にもつながるという効果も期待できます。現在は北欧5カ国、ニュージーランド、韓国との間で相互認証が実施され、さらに中国、タイ、台湾、北米、ドイツ、シンガポールとの間で相互認証に向けた準備が進められています。今後も、より多くの環境ラベル機関との協定締結を目指していきたいと考えています。今回のおさらい世界の環境ラベルとの相互認証によって“地球規模での環境負荷低減”を目指しています。宇野治(うの・おさむ)公益財団法人日本環境協会常務理事、エコマーク事務局長。エコマークの国際展開および普及に尽力。地球環境の保全、グリーン購入などをテーマにした講演も行う。19