ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

エコジン12・01月号

interviewecojinMOGI KENICHIRO本の自然は多様性に溢れていて、とても複雑です。昔、昭和天皇が“雑草という植物はないんだ”というようなことをおっしゃっていましたが、その言葉は生物多様性をとてもよく表している。雑草と片付けるのではなく、一つひとつの植物の多様性を味わうことが大事だと思います」今や、生物多様性という言葉はすっかりお馴染みになった。でも、具体的にそれはどういう概念なのだろう。茂木さんが考える、生物多様性とは。「金子みすゞさんの有名な言葉で“みんなちがって、みんないい”というものがありますが、僕にとって生物多様性とはまさにそれ。進化論で知られるダーウィンは、生涯の最後にミミズの研究をしているんですよ。みんな、トキ珍しい場所に行かないと…と思いがち。でも茂木さん曰く、近くの公園など、身近にある場所でも、生物多様性は充分に感じることができるとか。「そのためにはぜひ、“この場所にはこんな生物が生きています”という、場所ごとの指標みたいなものが作れたらいいと思います。ただそれをやるには、植物、昆虫、動物など、生物すべてに対して広い知識を持ってる専門家が必要ですよね。なかなかハードルが高い。でもぜひ、やってほしいと思っています。ちなみに僕は蝶の知識はありますが、植物がまったくダメ。街を歩いていて、“あ、これなんとかって植物”とか指摘できる人は、無条件で尊敬します(笑)」とかオオワシとかわかりやすい生物に目を向けますが、ミミズにもミミズの生活があって、ダーウィンはそこに興味を持ったんでしょうね。でも人間だって同じで、目立つ人や特別な才能がある人ばかりが注目されますが、地味だったり、おとなしい人にもそうなる理由がある。その多様性を認める感性を育むことは、大事です」自然に触れるというと、山奥であったり、手つかずの茂木健一郎1962年東京都生まれ。脳科学者。東京大学理学部を卒業し、「クオリア」や「アハ体験」などをキーワードに、脳と心の関係について研究をしている。トレードマークのヘアスタイルは、自分でカットしているのだとか!Click!!茂木健一郎クオリア日記http://kenmogi.cocolog-nifty.com/05