ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

エコジン12・01月号

今月のお題生態系サービス“寡黙で、ガマン強い生態系さん”かつゆるゆると迫ります。し環り境あやがエりコ寿にさ関んすがるコミックとエッセイプロフィールアレコレについて、で鋭く!第15回1958年静岡市生まれ。1985年、『エレキな春』でデビュー。パロディーを中心にした新しいタイプのギャグマンガ家として注目を浴びる。近年は、幻想的あるいは文学的な作品などを次々に発表するほか、エッセイ、映像、ゲーム、アートなど多方面に創作の幅を広げている。生態系サービスが危ないって聞くと、親が年とっちゃった時みたいなキモチになるなー。自分が子供のうちはデカくて頼りになってちょっとやそっとではビクともしなかったようなオヤジが、ふと気づくと脆くなって頼りなくなってる感じ。食べるものも着るものも遊ぶものもお小遣いも、当たり前のように与えられてたのに、親が弱ってくると「えっ、そうかこれから自分で稼がないといけないんだ…」みたいに不安になる感じ。まだこれが人間のフツーの親だったら「オマエ誰のおかげでメシ食ってんだ!」とか「いつまでも親が元気だと思うなよ!」みたいに口やかましいから、まぁこっちも多少の覚悟はできるけど、生態系さんたら寡黙でガマン強いからなー。よく調べてみると結構弱っているらしいぞ。ヤバイよねー、ヒトの親と違って万が一生態系さんがお亡くなりになったらこちらも生きていけないし、修復するにも莫大なコストや年月がかかるだろう。しかし僕たちは生態系さんからどんなに沢山のサービスを受けているんだろう。とりあえず受けてるサービスに値段をつけて欲しい。一息吸ったら「酸素料千円」とか。豪雨の後洪水にならなかったら「洪水止め代10,000円」とか。景色を見ていい気分になったら「いい気分代500円」とか。そもそもここで生まれ生きてる「環境整備費1,000,000円」とかとか。そうなったらこの世のありとあらゆるものに値札が下がるだろうなー。もう見渡す限り値札がブラブラだ。あっちもこっちもブーラブラ、着ているもの、食べているもの、光、空気、水…今まで無料だと思っていたものにもみーんな値札がブラブラだ。ついでに生態系そのものも今流行りの擬人化してみてほしい。きっと、それは大きな大きな優しそうなヒトで、傷ついた身体をごまかしながら黙々とバカな人類に必要なものを与えてくれてる巨人だ。ずっとずっと昔から長い年月かけてたくさんの命に育てられ、今皆を守ってくれている大きな力と知恵と繊細さを兼ね備えたヒトだ。そんな彼はただ哀しい目で自分の欲のままに放蕩を続けるバカな人類を見つめてるに違いない。彼の願いはただ一つ、自分の家族の一員である放蕩息子が一刻も早く改心してスネを齧るのをやめてくれることだろうな…それもまだ自分が元気なうちに。34