ブックタイトルエコジン12・01月号

概要

エコジン12・01月号

家電製品を長寿命化させる修理作業の効率化文/柳澤美帆宅配便最大手のヤマトホールディングスが家電のメンテナンス分野に参入したのは、プリンターを製造するキヤノンの販売会社から持ち込まれた「アフターサービスにかかる修理時間を短縮したい」という要望に端を発している。通常、故障したプリンターを家電量販店に持ち込むと、修理して返却されるまでに1週間以上かかる。だが24時間365日休まず営業している物流業者が関わることで、ユーザーと修理現場がダイレクトにつながるため、修理依頼から3日目には、プリンターが利用者の元に返却されるというスキームをつくることに成功した。現在はヤマトグループ最大の物流施設「羽田クロノゲート」を始めとする複数の修理施設を設け、修理作業自体も請け負う「トータルリペアサービス」も行っている。他種の家電製品にも対応を広げ、業務を拡大中だ。壊れたらすぐ新品に買い替えるのではなく、修理に出すことが増えれば、製品の長寿命化がはかられ、ごみの削減につながっていく。さらにもうひとつ環境に配慮したものが、商品の運搬時に使う梱包資材だ。商品が手元に渡った途端ごみになってしまう、段ボールと商品を固定している緩衝剤を減らすため、何度も使用することができるリターナブル資材をヤマトグループが開発した。運用上の理由で、まだ使用範囲が限られてしまっているが、今後はその点を改善していく予定だ。ヤマトマルチメンテナンスソリューションズ株式会社設立: 2 0 0 8年本社所在地:東京都江東区有明URL : http://www.y-logi.com/ymm/index.html上2点: 2 4時間3 6 5日、休むことがない物流現場の強みを生かした修理の流れを構築。修理業務自体を同社が行う場合は、早朝も作業が行われるため、作業は格段に早く行われる。左:ヤマト包装技術研究所が開発した、リターナブル包装資材。外側はプラスチック製で、中に緩衝剤が入っている。運ぶ際には空気を抜いて運ぶため、場所もとらない。下:今年9月に竣工した、ヤマトホールディングスの「羽田クロノゲート」。物流機能のすべてが集約され、ここに新たに修理センターも併設された。29