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概要

エコジン10・11月号

砂漠化や土壌汚染を改善できる人工培土を開発文/宇治有美子世界中で深刻な砂漠化や干ばつが進行する中、近年注目を集める土壌用環境資材がある。ヴェルデが開発したノンケミカルの培土「ヴェルデナイト」だ。この土は、炭化した水苔の一種である「ピートモス」に、粘土質の鉱石「モンモリロナイト」をコーティングしたもの。保湿性と保肥性に優れているため、植物栽培時に水や肥料の量を軽減できる。同社では現在、同資材を用いた植物(野菜)工場を展開。日本にとどまらず、香港やシンガポールでも技術提供を進めている。「工場では天候や害虫の影響を受けないため、農薬を使わず有機肥料で栽培できます。また保肥性が高いヴェルデナイトの特性により、水耕栽培で必要だった化学肥料が不要になることが強みですね」と会長の田野島鐵也さんは話す。また今後、荒廃地や砂漠などの緑化事業も視野に入れているという。国際協力機構(JICA)の活動の一環として、ケニアの荒廃地にヴェルデナイトを散布し植林する事業を準備中だ。「砂漠化が進む大地でも、表土さえあれば自ずと下草が生えて、昆虫が戻り、緑化ができます。豊かな生態系をよみがえらせることで、飛砂を防ぎ、砂漠化を食い止める活動にも取り組んでいきたいと考えています」。株式会社ヴェルデ上:左は乾燥した「ヴェルデナイト」、圧縮成型することで軽量化を実現した。吸水後は右のように膨らみ、高い吸水力と保水性を見せる。中:植物工場は現在国内に50箇所あり、海外にも進出している。写真は香港のバジル工場。仕組みは単純で照明と棚、発泡スチロール箱があれば、野菜作りが始められる。下:東京都中野区、実践学園中学校の屋上緑化事業。土の一部にヴェルデナイトが使われている。設立:2000年本社所在地:神奈川県厚木市URL :http://www.verde-jp.com/index.html29