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概要

エコジン8・9月号

中右:いけだ・かつとし(株)千代田プリントメディア・アカウントディレクター。環境省「グリーンカーテンプロジェクト」アドバイザー。大波のニガウリを全国に広げる活動に関わる。右:こんらい・じゅんこJ A新ふくしま女性部大波支部にがうり加工グループ代表。福島市内から大波地区へ嫁ぎ、農業に携わる。現在はJA新ふくしまの理事を務める傍ら、高齢化や後継者、耕作放棄地の問題への対策として農業生産法人設立をめざす「大波上組集落営農倶楽部」副代表としても活躍。きな可能性を感じました。縁もゆかりもない土地に大勢の若者たちがやってきて、地味な除染作業を黙々とこなす姿には感動しました。皆さんには、作業の間や食事のときに、温かい味噌汁を用意させていただきましたが、かえって地元の者が励まされる思いでした。奥本そのためには、日本中の人たちに「福島の問題は“他人事”でなく“自分事”なんだ」と思ってもらえるような仕組みづくりが必要です。私は、多くの人が自分事として関わることで、大波を震災前よりすばらしいまちにできると信じています。例えば農作物の安全性。今回の不幸な出来事をきっかけに高水準のトレーサビリティシステムを構築できたら、近い将来、大波は「世界一安全な米や野菜を作っているまち」になれると思うんです。池田福島市街から大波につながる中村街道に、色とりどりの花を植えたプランターを並べるのもいいですね。全国の人たちにプランターの“里親”になってもらい、人々佐藤さんが作っている、復興への意思を込めた「まけないいし」。を大波へいざなう“花の道”をつくるんです。里親の人たちにも、大波とのつながりを常に感じてもらえるのではないでしょうか。紺頼県外の方々が大波に関心を持ち続けてもらえることが、何より私たちの力になります。山や農地の除染、水田の作付け制限など難しい問題が残っていますが、私たちは決してあきらめてはいません。事故後もこの土地に残った人たちは「ささやかでも作物をつくり続けて、大波の農業を次の世代につなげていきたい」という思いで日々仕事をしています。そのことを、日本中の人たちに知っていただきたいと思います。佐藤私も含め、今この土地で暮らしている人たちは、大波が、福島が大好きなんです。だから、我々の世代で解決して、次の世代に元の大波を手渡したい。そのためには行政をはじめ、日本中の方々の協力が不可欠です。1人でも多くの皆さんの力を貸していただけるよう、全力で発信をしていきたいと思います。3 43 :東京・江東区の「がすてなーにガスの科学館」では福島市産のニガウリの苗を育て、グリーンカーテンを作っている。4 :東京・杉並区の「浜田山小学校支援本部」では2013年7月、J A新ふくしまによる福島市産の野菜や果物(桃)の販売が行われた。09