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概要

エコジン8・9月号

株式会社明電舎集水部へろ過水1枚の平膜の大きさは、高さ1,000、幅260ミリメートル。高フラックスで安定したろ過が可能なため、より省スペースで膜を設置できる利点がある。この大きさのセラミック平膜をつくる技術は明電舎独自のもの。汚水汚水膜洗浄空気セラミック平膜による浄化のしくみ。汚水はセラミック平膜でろ過された後、内部の集水管に集められ排出される。膜表面に付着した汚れは、膜洗浄空気がつくる上昇水流が効果的に落とす。「セラミック平膜」で、世界の“水問題”解決に貢献国内、海外に設置された実証プラント。省エネでの安定的な再生水供給、またあらゆる排水へ対応する技術の検証が行われている。将来的にはここでの実験結果を活かして、国内、海外でのプラント建設を目指す。設立: 18 9 7年本社所在地:東京都品川区URL : http://www.meidensha.co.jp世界人口が増加し、経済発展が進むにつれて、水の需要が急速に高まりつつある現在、水資源の有効利用や下水の再利用が世界的に注目されている。こうした中、明電舎では、生活排水や産業排水をろ過清浄するためのセラミック製の平膜を開発。海外市場での普及を目指している。セラミック平膜の特長について、膜・水処理プラント部の岡本洋介部長はこう語る。「従来の有機膜に比べて単位面積当たりの透過量が多く、安定したろ過が可能なため、多くの水を一気にろ過できることが最大の特長です。また、薬品や熱に強く、長時間の稼働に耐えられるため長寿命であること、使い終わったら他のセラミック製品に加工できるリサイクル性など、メリットは数多くあります」。同社は現在、シンガポールや中国で実証プロジェクトを進めている。「シンガポールでは、国家戦略として水の自給率を高める取り組みに力を入れています。中国では、急速な経済発展によって工業地帯の水の汚れが年々深刻化しています。今後、さらに工業化が進めば、よりいっそう高い処理能力が求められることになるでしょう。当社のろ過清浄の技術は、そんな地域に暮らす人たちの役に立てると考えています」。文/梅澤聡31