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概要

エコジン8・9月号

なぜサンゴ礁を守る必要があるの?美しいサンゴ礁は、観光客を呼び込む観光資源です。多くの島国にとって、サンゴ礁は観光業を通じて国の経済を支える基盤となっています。またサンゴ礁は、さまざまな生物が生息する生物多様性の見本のような場であり、地域の漁業も支えています。一方、台風などで高波が襲ってきた際には、波の力を弱める役割を果たす“生きた防波堤”にもなります。さらに、サンゴの骨格などは長い年月を経て砂となり、豊かな浜辺も形成してくれます。サンゴは海底に固着しているので、周囲の環境の影響を受けやすく、水温変化にも敏感に反応するため、環境指標としてとても役立っています。このようにサンゴ礁は、多くの面で私たちの生活に大きく関わっているのです。沖縄県座間味村では、サンゴ礁の美しい海を観光資源に、シュノーケリング体験などを行っている。(写真提供:座間味村)サンゴ礁が劣化してしまう原因は?温暖化による白化以外にも、サンゴ礁劣化の原因は多数挙げられます。まず、陸地での工事現場などから流入する赤土です。豪雨などによって流れ出した赤土が海底に堆積し、サンゴが窒息してしまうのです。さらに沖縄では、サンゴを食べるオニヒトデの海洋環境の変化による大量発生も問題になっています。このほかにも、人口や観光客の増加による周辺地域からのごみや生活排水の流入によってサンゴが死んだり、海水が濁ることで海中に日光が届かなくなり、褐虫藻が光合成できずサンゴが死滅したりといった場合もあります。またダイナマイト漁などの環境破壊的な漁法や、水産物の乱獲によって生態系のバランスが崩れることなども原因として考えられています。近年サンゴを捕食するオニヒトデが頻繁に異常発生し、サンゴ礁が壊滅的な被害を受けている。21