ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

エコジン8・9月号

まさき絶景が次々と現れる北山崎隧道入り組んだ海岸線に沿って歩くことができるよう、岩をくりぬいて作った隧道(トンネル)が点在する。震災で足場が崩れた場所があるため、今後、再整備が進む予定だ。現在通れる北山浜の隧道を抜けた先、眼前に広がる断崖と海の景色は、まさに息をのむ美しさ。このエリアの見どころはなんと言っても、蒼い海につき出た断崖の景色。三陸復興国立公園の前身、陸中海岸国立公園は、壮大な海岸の崖の風景が日本一であるとして指定された国立公園だ。「このエリアはやや難易度が高いトレッキングルート」と、ガイドの櫻庭さんが言うように、断崖絶壁を昇り降りするところがいくつもあるので、山登りをする覚悟でしっかり足元を固めてチャレンジしよう。ときには観光船や磯船「サッパ船」に乗って、海岸線の景色を海上から眺めたり、三陸鉄道と組み合わせて、ゆったりのんびり車窓の景色を楽しむのもひとつの手。また親潮に育まれた獲れたての魚や、ウニ、アワビなどの海の幸を豪快に味わったり、古くから海水を使って製塩を行っていた野田村で塩づくり体験をしたり、酪農が盛んな田野畑でしぼりたての牛乳や手づくりアイスを味わったり、市場で野菜を売る地元のお母さんたちと話をしたりと、この地域ならではの体験も楽しみたい。断崖の景色とは一変。穏やかな山田湾震災からようやく復活した養殖カキ筏が整然と浮かぶ山田湾。海は浅く波も穏やかなので、夏場にはシーカヤックを体験する人の姿も。江戸時代にオランダの船が停泊したことから「オランダ島」と名づけられた無人島をめざして、初心者でも楽々漕ぐことができる。東北地方環境事務所宮古自然保護官事務所自然保護官環境省グリーン復興プロジェクトのトレイル担当として、仮ルート750kmの全線を踏破し、地域の人々と触れあってこの地の魅力を教わった。「最も起伏が激しく、ハードなエリアだと思います。それだけに一番自然の要素も濃い。歩きがいのある場所です」写真/坂本政十賜文/柳澤美帆19