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概要

エコジン8・9月号

地元の人々に古くから親しまれている浄土平のシンボル、吾妻小富士。階段状の登山道を登ると、10分程度で火口壁の淵に出る。直径約5 0 0 mの火口の眺めは圧巻。火口壁をぐるりと1周する間に、浄土平や福島盆地などの展望も楽しめる。浄土平の南に位置する桶沼は、直径100mほどの小さな火口湖。濃紺の水をたたえたすり鉢状で、水深は吾妻山群の火口湖の中でも最深の約13m。N浄土平浄土平ビジターセンター70スカイライン土湯温泉70吾妻小富士あづまPA11613飯坂インター福島西インター松川PA東北自動車道福島4東北新幹線しかし、ここ浄土平でも、東日本大震災と原発事故の影響で、風評被害等もあり、一時は例年の1割くらいまで来訪者が激減したという。「その後、福島県による磐梯吾妻スカイラインの無料開放措置などもあって、県内からの来訪者は増加傾向にあります。しかし、県外からのお客様は依然として回復していないのが現状です。浄土平の空間線量は毎時約0.1マイクロシーベルトと、低い値を示しています。吾妻山周辺は温泉も豊富ですし、浄土平には原生林に囲まれた清閑なキャンプ場と山小屋があります。秋の紅葉シーズンに向けて、ぜひ全国の皆さんに福島を訪れていただきたいですね」まざまな楽しみ方ができるのが魅力です」また、自身が天文ファンだという西村さんのおすすめは、ここで見る星空の美しさだ。「浄土平は四方を山に囲まれ、市街地の光が遮られるため、絶好のスターウォッチングポイントなんです。美しい星空を見るには、“都市光害”の影響が少なく、大気中にチリやホコリ、水蒸気が少ない場所が適していると言われますが、浄土平にはそのすべての条件が整っています」浄土平ビジターセンターの西村真一副所長。国立公園内の土湯温泉では、震災から2年5カ月が経ち、被災した建物も解体撤去され、休廃業していた旅館も再開するなど、少しずつその爪痕が消えつつある。まだ風評被害の影響はあるものの、人々の気持ちにも安心とゆとりが生まれ、毎年8月に開催される仮装盆踊り大会では、宿泊客と地元住民が一緒に踊りながら真夏の夜を楽しむ。13