エコジン4・5月号

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概要:
エコジン4・5月号

北海道で生まれ育ったキートンさんは、子どもの頃から自然に囲まれた環境に馴染みが深かった。「若い頃から、できれば都会には住みたくないという気持ちが強かったですね。仕事をする上ではしかたないですが、人や車が多い東京はいまだに好きになれません」と笑う。ある時、たまたま知り合いに伊東の別荘を見せてもらったところ、その環境にすっかり魅せられてしまったという。1年ほどかけて伊東市内をあちこち見て歩き、ようやく目の前に海が開ける理想的な土地を見つけた。「子どもの頃に住んでいたのは、真冬になると細かい雪が戸の隙間から空気といっしょに入ってきて、部屋の中にうっすら積もるような家でした。それはもう寒かった。そういう経験があるので、自分の建てる家にはすごくこだわりがありましたね。高校が土木科だったこともあって、設計は自分でしました。もちろん、細かい部分は建築士に微調整してもらいましたが」。設計上、特にエコを意識したわけではなかったというが、自然に囲まれた暮らしは、おのずとエコになる。「まず、大根、にんじん、たまねぎなど、自分たちが日々食べる程度の野菜は自分たちで育てよう、と。子どもの頃から親がやっている姿を見ていたので、なんとなくやり方は分かりました。近所のかかるエネルギーを考えれば確かにエコである。冬は工務店から譲り受けた薪を割り、ストーブの燃料にする。温泉を引き込み、露天風呂もつくった。電気代、ガス代は東京のマンション暮らしに比べると激減したそうだ。「エアコンは設備としては付いていますが、夏もほとんど使わずに済んでいます」。都会の暮らしではあまり感じたことのなかった風や音、光も、伊東では日々実感できるという。「体内時計がしっかり動いているというか、自然のリズムとともに生活している感覚があります。朝日とともに目覚めたり、『ちょっと起きるのが遅いぞ』と鳥に知らされたり。東京だと、24時間、パトカーのサイレンや酔っ払いの声など物騒な音ばかり聞こえてくる。あれは、いらない音だったということがよく分かります」。「便利さと距離をおく勇気を」人が苗をくれるので、種類も徐々に増えましたね。畑仕事は、無理せず、楽しみながら続けるのがコツです」。畑の傍らには生ごみ用のコンポストを置き、生活で出た生ごみはそこに入れている。生ごみは自然に分解され、畑の肥料に。7年間で生ごみを収集に出したことは一度もないというから、ごみ処理にもちろん、声優の仕事は東京で行っているため、伊東と東京を行き来する生活だ。電車で東京駅まで2時間弱。本を読むなど、有効に移動時間を使っているので、さほど長くは感じないとのこと。「車窓から景色を眺めていると、自然に気持ちが切り替わりますね。東京に近づく頃には伊東のことは忘れるし、伊東に帰る時には東京のことは忘れる。04