エコジン4・5月号

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概要:
エコジン4・5月号

新田裕史先生に聞きました独立行政法人国立環境研究所環境健康研究センター長PM2.5についてもっと詳しく教えてください。平成25年1月10日頃より、中国では北京市を中心にPM2.5による大規模な大気汚染が断続的に発生しました。汚染物質が滞留しやすい気象条件において、自動車の排ガスや集中暖房における石炭使用、工場の排煙などによる大気汚染物質が大量発生したことが原因とされています。一方、日本ではこれまで大気汚染防止法に基づく厳しい規制がなされてきたため、PM2.5を含む大気汚染は、長期的に見ると減少傾向にあります。今年に入ってから西日本で広域的高いPM2.5濃度を観測した、福岡市街(2013年2月23日)。写真/毎日新聞社大気中のPM2.5を測定する「微小粒子物質測定装置」(福岡市中央区天神)。写真/毎日新聞社に環境基準を超える濃度が一時的に観測され、健康への影響を危惧する声が高まりましたが、今年のデータを過去2年の同時期と比較すると、若干高い傾向は認められるものの、大きく上回るものではありません。現在の日本におけるPM2.5の濃度は、短期的にはそれほど心配しなくてよいレベルだと思っています。日本でPM2.5の環境基準が設定されたのは、平成21年9月です。この環境基準の数値は、年平均15マイクログラム毎立方メートルという、長期基準を主体として設定したものであり、行政の長期的な目標値となるよう、疫学など多方面から検討したうえで慎重に設定したものでした。もちろん短期の影響がないわけではありませんが、私たちがPM2.5に関して懸念しているのは、肺ガンになるリスクの上昇など、どちら20