エコジン12・1月号

エコジン12・1月号 page 23/36

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東日本大震災では、直接的な被害を受けた建物や森林のほかにも、塩害による木々の立ち枯れなど、二次的な被害も多く見られる。木材として十分に利用可能な木々が、「被災木」という名のがれきとして処理されていく現....

東日本大震災では、直接的な被害を受けた建物や森林のほかにも、塩害による木々の立ち枯れなど、二次的な被害も多く見られる。木材として十分に利用可能な木々が、「被災木」という名のがれきとして処理されていく現実を前に、立ちあがった人たちがいた。16,000人もの外部クリエイターとのネットワークを活用しながら、ウェブサイトの構築などを手掛ける㈱ロフトワーク。復興プロジェクトや講演などで被災地をたびたび訪れていた代表の林千晶さんは、いまだ処理しきれず大量に積み上げられたがれきに愕然としたという。「宮城県では、伊達正宗ゆかりの木などが何百本もがれきとして処理されていくと聞き、単純にもったいないと思ったのがはじまりです。私たちが蓄積してきたクリエイティブのノウハウを活かして、これらの被災木に違う価値を与えられるのではと考えました」林さん率いるロフトワークが中心となり、日本発のインテリアブランドとしての地位を築く㈱イデー、廃棄物の中間処理・資源再生を行う㈱ナカダイが運営するものづくり工房・モノ:ファクトリー、そしてロフトワークを母体とするものづくりカフェ・FabCafeによって、「がれき×クリエイティブ」プロジェクトがスタートした。イデーは、これまで間伐材を活用したインテリア制作の技術を活かし、子ども向けの椅子やクルマ型おもちゃを制作。モノ:ファクトリーはイベント「産廃サミット」を通してアーティストと茶杓や露地下駄をつくり、FabCafeはクリエイターと共にアクセサリーやおもちゃなどのプロダクトを開発した。「社会の中の課題を驚きやよろこびによって解決できるのがクリエイティブの真の力です。アートやデザインは、欠点だと思われていたものを魅力に転化し、その背後にあるストーリーを採り入れながら新しい価値を生むことができる。今回のプロジェクトをきっかけに、被災木や日本の森林問題を多くの企業やクリエイター、消費者らと共有しながら、今後も継続的に活動をしていきたいと考えています」(林さん)処理に窮するがれきも、クリエイターにとっては素材の宝庫なのだ。イデーによる杉丸太スツール作り被災木が集められている現地で、素材を選び作業場に運ぶ。短期間での加工を可能にするため高温熱加工処理加工を行ったうえで、さまざまなかたちに造形する。キノコや糸巻きなどをモチーフに、木目を生かしたかわいらしいスツール。Click!!がれき×クリエイティブプロジェクトhttp://www.loftwork.jp/gareki23