エコジン12・1月号

エコジン12・1月号 page 13/36

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まちの夜に明かりを灯す省エネ照明*「省エネ・照明デザインアワード2011」まち、地区、その他部門グランプリ文/宇治有美子写真/千倉志野自治体や大学、民間企業が一体となった、未来志向のまちづくり構想の一環であ....

まちの夜に明かりを灯す省エネ照明*「省エネ・照明デザインアワード2011」まち、地区、その他部門グランプリ文/宇治有美子写真/千倉志野自治体や大学、民間企業が一体となった、未来志向のまちづくり構想の一環である「パークシティ柏の葉キャンパス二番街コモン」。その照明デザインが、住環境と調和した省エネ照明として注目を集めている。夕方17時。陽が暮れるとともに照明が灯る。気がつくのは、見慣れたポール状の街灯が1本もないことだ。そのかわりに、目線よりも低い位置に配された小さな灯りが足下を優しく照らし出している。「そもそも照明デザインとは、一つひとつの光の効果を考える役割があります。高い位置から無駄に光を広げるのではなく、足下へ小さな光を丁寧に配することで、適切な明るさが得られます」と話すのは、照明デザインを担当した都市環境照明研究所主宰の武石正宣さんだ。とはいえ、ただ省エネを考えるだけではない。武石さんは「人がいかに心地よく暮らせるかが重要」と話す。樹木を照らすアッパーライトやスタンド型のLED照明など、ポイントとなる灯りを低めの位置に配置。その一方で、高層タワーの頂部に備え付けられた三灯ずつのスポットライトが、強い光を交差させつつ地上へ向けて照射され、光の溜まりを作り出す。「1 0ワットほどの小さな光と、900ワットの光芒を効果的に使うことで、陰影のメリハリやリズミカルな光の演出が感じられ、歩くのが楽しくなるような工夫を凝らしました」。デザイン性と省エネを共有させる、21世紀型の照明デザイン。その可能性を示す好例と言えるだろう。省エネ・照明デザインフォーラム2012開催省エネ・照明デザインアワード2012の受賞作品の発表・表彰や、照明デザイナーの石井幹子氏の基調講演、パネルディスカッションを行う省エネ・照明デザインフォーラムが、2013年1月15日に日経ホールで行われます。参加申し込みの詳細については、下記URLをご確認ください。http://shoene-shomei2012.jp/外構空間全体のバランスを考慮して光を配するトータルな演出が、省エネを実現。タワー棟の頂部から降り注ぐ計6カ所のライトが地上に光溜まりを作ると同時に、霧や雨を照らして住民に季節ごとの空気の状態を感じさせる“大気のゲート”の役割も果たしている。照明器具の数や光量は決して多くないが、歩幅まで考慮した光の配置によって、歩くのに十分な明るさを保っている。10ワットほどの小さな光が映え、変化に富んだ光の光景を感じながら帰途につく楽しみも味わえる。13