エコジン10・11月号

エコジン10・11月号 page 9/36

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ケミカルリサイクルの製造過程モデル。粉砕ペットボトル(左端)が化学的に分解されて、一番右のPET樹脂となる。店頭に並ぶAGFの商品。すべて再生ペットボトルを使用している。ケミカルリサイクルの技術が詰まった工場....

ケミカルリサイクルの製造過程モデル。粉砕ペットボトル(左端)が化学的に分解されて、一番右のPET樹脂となる。店頭に並ぶAGFの商品。すべて再生ペットボトルを使用している。ケミカルリサイクルの技術が詰まった工場。左が高純度BHETを製造するプラント。回収されたペットボトルを分子レベルまで分解、異物や色素などを取り除いた上で、再び分子を結合させてPE T樹脂を再生しているのが、ペットリファインテクノロジー(PRT)株式会社だ。独自に技術開発した分子蒸留で、ポリエステル樹脂製造の中間原料である高純度BHETを精製するというケミカルリサイクル技術を確立。石油からつくられるバージン材料を使ったペットボトルと同品質の再生ペットボトルをつくり出すことに成功した。「私たちはこれを使い回しという意味あいの“リサイクル”でなく“リファイン”と呼んでいます」と中里誠一社長。しかもPET樹脂換算では再生率はほぼ100%。つまり単純に考えれば、私たちが飲み終えたペットボトルをすべて回収して工場に送れば、原材料に新しい石油資源を使わず、使用する分のペットボトルをつくることができるというわけだ。しかしこのケミカルリサイクルはコスト面などの兼ね合いもあって、現在供給できる再生ペットボトルは、年間2万3,000トンにとどまっている。国内のペットボトル使用量が年約6 0万トンとされる中、その5%にも満たない生産量だ。供給量を増やすためには、ケミカルリサイクルを支持する“風”が吹く必要がある。そこに手を差し伸べたのが、味の素ゼネラルフーヅ( A G F )株式会社だ。「ブレンディ」をはじめとする全商品約2億5,000万本のペットボトルを、PRT社の再生ペットボトルに切り替え、フレンドリーボトルというオリジナルのマークを付けた。「社会的使命を果たしたいという思いと、PRT社のケミカルリサイクルなら品質は10 0%保証されると判断して導入しました」と、味の素ゼネラルフーヅ(AGF)株式会社の島本憲仁リキッドコーヒー事業部長は話す。全製品への導入で、原料としての石油資源を年間6 0%も削減したというAGF。環境に貢献はするものの、これが売り上げに直結するわけではないようだが、AGFはこれからもこの再生ペットボトルを使い続ける予定だ。Cなお、ペットボトルt oペットボトルには、化学的手法であるケミカルリサイクルの他に、物理的手法であるメカニカルリサイクルという手法がある。lick!!ペットリファインテクノロジー株式会社http://www.prt.jp/味の素ゼネラルフーヅ株式会社http://www.agf.co.jp/09