エコジン10・11月号

エコジン10・11月号 page 5/36

電子ブックを開く

このページは エコジン10・11月号 の電子ブックに掲載されている5ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
きている」先の利益が優先されます。1つの種が絶滅した瞬間には影響は出ませんが、時間が経てば必ず波及効果がある。つまり負の遺産として未来に受け継がれてしまうんです。未来に思いをはせて、私たちが断絶してし....

きている」先の利益が優先されます。1つの種が絶滅した瞬間には影響は出ませんが、時間が経てば必ず波及効果がある。つまり負の遺産として未来に受け継がれてしまうんです。未来に思いをはせて、私たちが断絶してしまったネットを少しでもつなぎ直す努力をしなくてはなりません」さまざまな生物が生きられる環境を作る。そのために私たちができることはなんだろう。「いろいろありますが、今一番言われているのが二酸化炭素増加の問題。二酸化炭素を炭水化物に変えるという作業ができるのは、地球上の生物の中で植物だけなんです。植物はすごいですよ、ソーラーパネル1枚がやっている仕事の何倍も複雑な作業量を葉っぱ1枚でやってのける。鉢植えや屋上緑化などで、少しでもいいから植物を増やすのもいいですね。微々たるものかもしれないけれど、それだけでも確実に二酸化炭素は減っていく。そういう小さな努力が、生命を未来へつなげていく道しるべになるんです」ふくおか・しんいち生物学者。青山学院大学教授。1959年東京都生まれ。ベストセラー『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)でサントリー学芸賞を受賞。他にも著書多数。生物学をわかりやすくかつおもしろく解説するその語り口は、テレビなどでもおなじみ。最近の趣味は夕刻からの多摩川の散歩で、手長エビを網ですくう漁に凝っているとか。獲物は家で唐揚げにして食べるのがお気に入り。http://www.chem.aoyama.ac.jp/fukuokalab/05