エコジン10・11月号

エコジン10・11月号 page 4/36

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ecojininterviewSHINICHI FUKUOKA「生物は相互に関わりあいながら生美しいカミキリムシの模型とガラス瓶、そして紅葉した葉っぱが数枚・・・。福岡先生の研究所のテーブルの上は、“好きなモノ、拾ってきちゃった!”と....

ecojininterviewSHINICHI FUKUOKA「生物は相互に関わりあいながら生美しいカミキリムシの模型とガラス瓶、そして紅葉した葉っぱが数枚・・・。福岡先生の研究所のテーブルの上は、“好きなモノ、拾ってきちゃった!”という、子どもの宝箱の中身のよう。「生物多物。ちなみに皆さんに嫌われているゴキブリの本様性はなぜ重要なんですか?」という問いに、少年のようなニコニコ顔で答えてくれた。「例えば私たち人間が生きるためには、何か食べなくてはいけない。そして私たちの食物は、動物性にしろ植物性にしろ、すべて他の生物の体の一部なわけです。また私たち生物は呼吸をし、二酸化炭素を発生させます。この二酸化炭素を環境の循環の中に戻すためには、植物の光合成が必要。植物は、二酸化炭素から酸素を取り除いて排出し、残った炭素から他の生物が利用できる炭昆虫少年だった福岡先生。研究室には、ルリボシカミキリやオオムラサキの標本が置かれている。水化物を作り出してくれています。そして代謝によって生じるのが排泄物ですが、それを下水処理場で分解し浄化してくれるのは、さまざまな微生来の仕事は、森で動物の死骸や落ち葉を分解することです。つまり、1つの生物だけが自立的に生きていくということは不可能で、地球上にいる生物はエネルギーや情報、物質を交換し相互に関わりあいながら生きている。それが“生物多様性”が大切な理由です」生き物それぞれが手を結び合って、それが見えないネットのように地球上に張り巡らされている。そのネットの目は細かければ細かいほど、トラブルが生じたときに跳ね返す力が強いのだ。ところが現代になってから、植物も動物も、たくさんの種が絶滅に追い込まれており、そのネットのあちこちにほころびが生まれている。「生物の歴史が38億年ある中で、絶滅した種は多く、それは進化のプロセスの中では必然のこと。でもここ100年ほどの間に起きている絶滅の速度は速すぎる。しかもその原因は自然の栄枯盛衰ではなく、人間の産業活動によるもの。これはやはり、人間が責任を取らなくては」環境問題とは未来との対話だ、と福岡さん。「経済至上主義の中では、生物や環境よりも、目04