エコジン8・9月号

エコジン8・9月号 page 21/36

電子ブックを開く

このページは エコジン8・9月号 の電子ブックに掲載されている21ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
森は、一般開放ゾーン「ふれあいの森」と、予約制のガイドウォークのみのゾーン「学びの森」とに分けられている。来訪者は、フィールドセンターを拠点に、インタープリターが行う各種自然体験プログラムに参加できる....

森は、一般開放ゾーン「ふれあいの森」と、予約制のガイドウォークのみのゾーン「学びの森」とに分けられている。来訪者は、フィールドセンターを拠点に、インタープリターが行う各種自然体験プログラムに参加できる。現在、日本には30の国立公園がある。指定されているのは、日本を代表する自然の風景地など、豊かな自然が残されている場所。その環境を守るため、各地に環境省のレンジャーが派遣され、さまざまな保護管理活動を行っている。具体的にはどんな活動をしているのか……栃木県の那須自然保護官事務所に赴任している、レンジャーの柘植規江さんを訪ねた。「この事務所の管轄は、群馬、栃木、福島の三県にまたがる日光国立公園のうち、那須甲子・塩原エリアです。昨年5月から一般に公開されるようになった『那須平成の森』や昨年1 1月に開館した『那須高原ビジターセンター』の管理も行っています」。これらは、豊かな自然を維持しつつ、国民が自然にふれあえる場所として活用してはどうかとの天皇陛下のお考えを受けて、那須御用邸用地の一部が宮内庁から環境省へ移管された場所だ。「自然を保全しながらも、人が上手に利用していくことも大切です。もちろんオーバーユース(過剰利用)にならないよう配慮が必要ですし、自然環境のモニタリング調査も継続して行っています」と柘植さん。「国立公園は、みなさんがレジャーで訪れるような場所のほか、民家が建っている私有地の場合もあります。私有地ではあるものの、国立公園指定区域でもあるため、所有者から指定エリア内の木を切りたいなど申請があった際には、そういった行為が可能かどうか、許可や認可の審査も行っています」ときには、所有者との難しい協議もあるという。しかし、環境保全に携わるレンジャーの仕事は、「とてもやりがいを感じます」とほほ笑む。「那須平成の森へは、週に2~3回ほど、記録用に植物などの写真を撮りにいったり、森に異変がないかを見回りにいったりしていますが、レンジャーの制服を着ていると、来園者に『気持ちのいい森ですね』などと声をかけられることがあるんです。そういう感想を直接聞けると、この仕事をやっていてよかったという嬉しさがこみあげます」。レンジャーの熱意と、日々の地道な努力。その積み重ねによって、国立公園の自然は守られている。私の仕事道具左は、那須甲子・塩原地域の国立公園を示す「公園計画図」。“特別保護地区”など、規制のランクが色分けされている。新しい建造物を建てる場合などには、この地図をもとに、どの程度なら可能かを審査する。一眼レフカメラは、“記録用”に常備。国立公園内の植生や、私有地の現況などを収めるためのもの。21