エコジン8・9月号

エコジン8・9月号 page 15/36

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日本大震災発生から1年4カ月となる7月11日。がれき中間処理施設を取材するため、宮城県女川町を訪れた。女川港に面した町の中心部には数か所の倒壊家屋が残るものの、被災直後に比べ整然とした印象を受けた。震災直....

日本大震災発生から1年4カ月となる7月11日。がれき中間処理施設を取材するため、宮城県女川町を訪れた。女川港に面した町の中心部には数か所の倒壊家屋が残るものの、被災直後に比べ整然とした印象を受けた。震災直後の女川町のがれきは44万4,000トン(環境省による推定)。町内で通常排出される量の115年分に相当する量だ。「町有地のほとんどが山林なので、限られた民有の平地に仮置場が設置されています。そのため、仮置場に積まれたがれきの存在自体が復興の大きな妨げとなっているんです」と語るのは、女川町町民課の千葉英貴さん。中間処理施設は、津波で被災した水産加工場の跡地につくられていた。仮置き場に集められたがれきは、重機を用いて金属類やコンクリート殻などを一次選別した後、中間処理施設に運び込まれる。施設内では、磁石による金属物の分離、トロンメル(大型ふるい機)による再選別を経て手選別ラインへ。ここでは、ガラス、コンクリート殻、石、陶器、金属などの「不燃物」、木材、廃プラスチック、紙、布、革製品等の「可燃物」、さらにアスベスト混入物、電池などの「有害物」に細かく分別される。この日は、受け入れ先のひとつである東京都八王子市の住民たちが中間処理施設を見学。東京都は、女川町で発生したがれきのうち「可燃物」を今年3月から本格的に受け入れ、都内の清掃工場で6万1,000トンを処理する計画だ。すでに1万トンの処理を終え、今年度中には全量の処理を終了する予定だという。参加した住民たちは、がれきを手選別する様子や、放射線測定の様子などを見て回った。終了後、参加者の一人に感想を聞くと、「想像していた以上にきめ細かな分別処理が行われていることに驚いた。私たちも積極的に受け入れることで、女川の復興に協力したい」との声が返ってきた。「東京都の協力のおかげで、港では冷凍工場や製氷貯氷施設も稼働を再開しました。女川のサンマ漁はこれからが最盛期。今年は期待できそうです」。千葉さんの顔に笑みがこぼれた。混合廃棄物仮置き場。一時選別が行われ、再利用できない木材、可燃物が中間選別処理施設へ送られる。「トロンメル」という回転式のふるいで粉じんを取り除きつつさらに分別する。分別しきれないものは手作業での分別へ。分別されたがれきは選別エリアで1時間ごとに空間線量率を測定している。手選別後の品目ごとに測定を行っている。ベルトコンベア上のがれき片を手作業で選別(P14写真)し、金属類、紙・布、廃プラ、電池など品目ごとに分ける(写真左)。15