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1.京都議定書の削減約束達成と地球環境保全に向けたリーダーシップ 250億円(224)

(1)京都議定書目標達成計画の確実な実施

ア)再生可能エネルギーの導入促進など約束達成に向けた各種施策の具体化
[1]目標達成計画の着実な推進において、再生可能エネルギーの一層の普及が不可欠です。住宅用を中心に普及している世界最高水準の太陽光発電システムの更なる導入拡大を図るため、地域協議会の活用等を通じた地域ぐるみの集中導入、大規模太陽光発電による電力の地域共同利用の推進など、導入支援を点から面へと強化する「ソーラー大作戦」を展開します。
[2]我が国として京都メカニズムのクレジットの取得を計画的かつ効率的に進めるため、クレジット調達制度の導入を図ります。
[3]業務用冷凍空調機器からのフロン回収率を向上させるため、新たな仕組みの導入を図ります。
[4]政府の実行計画について、環境省として平成13年度比7%削減に向けて、省エネ型オフィスの実現を図ります。
[5]CO2削減に向けた対策技術やバイオ燃料などの再生可能エネルギー導入技術等に   ついて、実用化に向けた重点的な技術開発を進めます。
 

【主な予算措置】 百万円
・ソーラー大作戦(一般会計・石油特会)(新規予算を含む) 4,315( 2,800)
・(新)京都メカニズムクレジット取得事業交付金(一般会計・石油特会) 4,200( 0)
・(新)業務用冷凍空調機器フロン回収強化対策推進費 35( 0)
・地球温暖化対策技術開発事業[競争的資金](石油特会) 2,714( 2,676)

イ)計画の実効性を高める横断的施策の強化
[1]自主参加型国内排出量取引制度については、引き続き、更に多くの企業の参加を得て、費用効率的かつ確実な温室効果ガスの排出削減を推進します。
[2]改正地球温暖化対策推進法に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度について、事業者への報告義務や算定方法の周知、システム整備を行い、平成19年度の第1回報告に向けた基盤整備を行います。
[3]国民のライフスタイルの転換に向けて、クール・ビズの定着、過剰包装の見直し、エコ製品の選択の実践をテーマとして集中的にキャンペーンを行い、更なる大規模国民運動の推進を図ります。

【主な予算措置】 百万円
・温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業(新規分)(石油特会) 2,000( - )
・温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度基盤整備事業(一般会計・石油特会) 124( 99)
・地球温暖化防止大規模「国民運動」推進事業(石油特会) 3,000( 3,000)

(2)地球規模での長期的排出削減に向けた国際的リーダーシップの発揮

[1]2005年11月に開催されるCOP11(カナダ)などの国際的な動向を踏まえつつ、2013年以降(京都議定書の約束期間後)の次期枠組みに向け、米国や、中国をはじめとするアジア地域の主要排出国との政策対話を強化します。また、地球規模での環境・エネルギーシステムの変革を視野に入れた長期目標の検討や技術開発など中長期的温暖化対策を進めます。
[2]G8グレンイーグルズサミットにおいて、途上国自身の温暖化に対する対処能力強化の重要性が再確認されたことを受け、途上国の地球温暖化対策への積極的参画を促していくため、アジア太平洋地域における気候変動による影響のモニタリング・評価、情報提供を行う「気候変動影響モニタリング・評価ネットワーク」の構築を進めます。

【主な予算措置】 百万円
・地球温暖化対策に係る次期枠組検討経費 44( 27)
・日米気候変動問題セミナー実施事業費 20( 18)
・アジア地域の主要排出国との気候変動問題セミナー実施事業費 32( 12)
・地球温暖化対策技術開発事業[競争的資金](石油特会)(再掲) 2,714( 2,676)
・(新)気候変動影響モニタリング・評価ネットワーク構築等経費  400( 0)

(3)国際環境協力の新たな展開など地球環境の保全

[1]東アジア地域の環境管理の強化に向けて、日中韓の協力を軸にした北東アジアにおける環境取組の基盤を整備するための政策協議、地域別の支援戦略の策定及び東アジアにおける酸性雨等対策の枠組みの構築等を図ります。
[2]我が国の有する公害克服経験や3Rの技術・ノウハウなどを活かして、国際的なネットワークづくりや情報発信を進めます。
[3]持続可能な森林経営についての行動規範の検討等を通じ、違法伐採対策を進めます。

【主な予算措置】 百万円
・(新)北東アジアにおける環境管理基盤の構築 13( 0)
・(新)地域環境管理支援戦略策定費 33( 0)
・(新)東アジア酸性雨等環境管理に向けた枠組み構築事業費 40( 0)
・アジア太平洋環境開発フォーラムセカンドステージ(APFEDⅡ)活動推進費 148(  128)
・漂流・漂着ゴミに係る国際的削減方策調査費 19(  19)
・3Rイニシアティブ国際推進費 132(   68)
・世界の水環境保全のための国際的活動経費 128( 91)
・黄砂対策推進費 35( 28)
・(新)持続可能な森林経営に向けた国際的な行動規範等策定調査費 12( 0)