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1.脱温暖化・循環型の持続可能な社会の迅速な構築  

1,801億円


 「脱温暖化社会」へ向けて、京都議定書の温室効果ガス6%削減約束を確実に達成するとともに、「循環型社会」へ向けた廃棄物等の発生抑制、適正な循環的利用と処分を着実に進め、持続可能な社会の迅速な構築を図りますそのため、経済産業省とも連携しつつ、エネルギー起源の二酸化炭素の排出を抑制する省エネ・代エネ対策を強力に推進します。また、生活基盤の構築を含めた環境分野への投資や経済のグリーン化を一層促進し、環境ビジネスや環境技術研究等の振興を図り環境制約を新たな成長要因に転換させ、環境と経済の統合を一層進めていきます。




<( )は14年度予算額>
(1) 持続可能な社会の基盤づくり     

1,611億円(1,652)


[1] 政府一体となった京都議定書目標達成計画の着実な実行
  京都議定書の温室効果ガス6%削減約束を確実に達成するため、地球温暖化対策推進大綱を基礎として策定する京都議定書目標達成計画を、政府が一体となって着実に実行していきます。そして、政府全体の地球温暖化対策の進捗状況を的確に把握し、評価していくため、温室効果ガス排出量・吸収量の把握・速報化への体制整備を進めます。
 また、地方公共団体と連携して、地球温暖化の防止に極めて大きな効果を有する再生可能エネルギー(バイオエタノール等)の民生部門・運輸部門における利用を促進するとともに、地方公共団体の率先実行計画に基づく施設整備等を支援します。さらに、バイオマス等を使用した高効率の発電施設等の整備を進めます。
【主な予算措置】 百万円 百万円
・温室効果ガス排出量・吸収量管理体制整備費
・(新)再生可能燃料利用促進補助事業<特別会計>
・(新)地方公共団体率先対策補助事業<特別会計>
・(新)地域協議会代エネ・省エネ対策推進事業<特別会計>
・(新)廃棄物処理施設に対する温暖化対策事業<特別会計>
248
800
1,600
300
500
 ( 204)
 ( 0)
( 0)
( 0)
( 0)

[2] 脱温暖化型ライフスタイル(環のくらし)を目指した日常生活の改革
  温室効果ガス排出量の増加が著しい国民の日常生活からの温室効果ガス排出量を抑制するため、脱温暖化型の環境にやさしいライフスタイル(環のくらし)への転換に向けた運動を全国的に展開します。また、全国地球温暖化防止活動推進センター及び都道府県地球温暖化防止活動推進センターを活用して、地域のCO2排出抑制対策を推進するための人材の育成を進めます。
【主な予算措置】 百万円 百万円
・「環のくらし」推進事業費
・(新)温暖化防止活動支援事業<特別会計>
・ヒートアイランド対策に関する調査
148
410
23
 ( 110)
 ( 0)
( 20)
【主な税制措置】
・地球温暖化防止及びヒートアイランド現象緩和のため、認定緑化施設に係る固定資産税の課税標準の特例措置を延長

[3] 脱温暖化社会の構築に向けた費用効果的な対策及び国際協力の推進
 温室効果ガスを費用効果的に削減するため、温暖化対策上必要とされた場合には2005年以降早期に温暖化対策税を導入するとの方針に基づき、温暖化対策税の具体的な制度の在り方について検討を進めるとともに、自主的な国内排出量取引を推進します。
 また、京都メカニズムの活用のための基盤整備・事業者支援を推進するとともに、第1約束期間(2008年~2012年)の後も視野に入れながら、米国や途上国を含む全ての国が参加する共通のルールを構築するための政策対話を進めます。
【主な予算措置】 百万円 百万円
・炭素税導入の対策効果及び経済活動への影響等に関する
  検討調査費
・(新)CDM/JI、排出量取引の実施に係る支援事業<特別会計>
・(新)地球温暖化に係る将来目標検討経費 
・(新)日米気候変動問題セミナー実施事業
24

1,410
26
15
 ( 10)
 
( 0)
( 0)
( 0)
【主な税制措置】
・我が国の実情に合った温暖化対策税の具体的な制度の在り方を引き続き検討
・環境負荷の少ない自動車の普及を図るため、自動車税のグリーン化や自動車取得税の税率の軽減措置等を延長するとともに、その対象を拡充し、新たに燃料電池自動車やLPG自動車等を追加

[4] 廃棄物等の発生抑制と適正な循環的利用の促進に向けた取組の拡充
 平成14年度末までに策定予定の「循環型社会形成推進基本計画」を踏まえ、モデル事業の実施等様々な取組により廃棄物等の発生抑制及び適正な循環的利用の促進に努めます。また、PFI方式の活用や廃棄物処理施設整備重点化計画(仮称)の策定等により必要な廃棄物処理・リサイクル施設を効率的・効果的に整備するとともに、リサイクルの推進と適正処理の確保が両立する制度の確立等を図ります。
【主な予算措置】 百万円 百万円
・循環型社会形成推進基本計画フォローアップ経費
・廃棄物処理施設整備費〔公共〕
・産業廃棄物処理施設モデル的整備事業
  (廃棄物処理施設整備費補助のうち)〔公共〕
・ゴミゼロ型地域社会形成推進施設整備費(エコタウン事業)
96
147,305
4,190

517
 ( 25)
 ( 160,273)
( 1,900)
 
( 50)
【主な税制措置】
・自動車リサイクルの推進を図るため、再商品化設備に係る特別償却制度及び事業所税の課税標準の特例措置の対象を拡充し、自動車破砕残さ再資源化施設を追加
・PFI選定事業者が設置する一般廃棄物処理施設の用に供する家屋及び償却資産に係る税制上の特例措置を新設
・地方自治体による産業廃棄物に係る独自の税制上の取組の動向を踏まえ、国としての対応の在り方について検討

[5] 廃棄物の適正処分・不法投棄対策の強化
 平成9年廃棄物処理法改正法の施行前(10年6月以前)の産業廃棄物不法投棄事案全体について、一定の期間内に計画的に原状回復を行うための制度的枠組みの整備を進めるなど、産業廃棄物の不適正処理の防止対策や不法投棄の原状回復措置の強化を図り、廃棄物処理に関する国民の信頼を回復していく取組等を進めます。
 さらにPCB廃棄物処理については、拠点的処理施設の整備など全国的な処理体制の整備に着実に取り組みます。
 またバーゼル条約に基づく廃棄物の不法輸出入防止のための国際的ネットワークの構築にも取組みます。
【主な予算措置】 百万円 百万円
・過去分(10年6月以前)産業廃棄物不法投棄原状回復支援強化
 (産業廃棄物不法投棄等原状回復措置推進費補助金のうち)
・(新)不法投棄事案対応支援事業
・(新)廃棄物不法輸出入防止国際ネットワーク事業
・(新)有害物質含有等製品廃棄物の適正処理ガイドライン
  緊急策定調査
・(新)最終処分場跡地実態調査費
・PCB廃棄物処理のための拠点的施設整備事業
 (廃棄物処理施設整備費補助のうち)〔公共〕
・(新)新たなPCB汚染物の特定及び適正処理確保方策検討調査
・PCB廃棄物の拠点処理における運行状況管理のための
  システム開発
3,000

28
 11
13

20
10,569

13
49
( 0)

( 0)
( 0)
 ( 0)

( 0)
( 1,400)
 
( 0)
( 15)

[6] 健全な水循環に資する合併処理浄化槽の整備強化
 効率的効果的な汚水処理施設の整備を図るため、設置費用も比較的安価で水質の保全と河川の水量が確保でき、健全な水循環に資する浄化槽の整備を一層進めていきます。
【主な予算措置】 百万円 百万円
・浄化槽整備事業の促進
  浄化槽市町村整備推進事業の対象地域の拡大
  高度処理型浄化槽の対象地域の拡大
    (廃棄物処理施設整備費補助のうち)〔公共〕
21,146 ( 15,660)


(2) 経済のグリーン化・環境ビジネスの推進   

190億円(183)


[1]環境ビジネスの活性化等による経済のグリーン化の推進
 脱温暖化社会・循環型社会を迅速に構築し、同時に経済の活性化を図るため、環境ビジネスの活性化を積極的に進め、経済のグリーン化の進展を図ります。このため、環境ビジネスに関する情報交換や情報整備のための企業や消費者との意見交換の場の設置等、環境配慮型製品・サービス(エコプロダクツ)の市場形成・普及促進、地域資源を活用した環境ビジネスの振興、海外への環境ビジネスの積極的な展開などに資する具体的な支援策を検討し、推進します。
 また、消費者が二酸化炭素排出のより少ない環境配慮型製品等を選択することができるよう、日常生活で使用する製品等を中心にLCA手法を活用して評価等を実施し、その情報を提供します。
 なお、優良化した産業廃棄物処理業をさらにより高度なサービスを提供する産業として発展できるようにするためのビジョンやビジネスモデルの提示などの取組を行います。

【主な予算措置】 百万円 百万円
・環境と経済の統合のための
  産業活動のグリーン化促進に関する調査検討費
・(新)製品等に係る二酸化炭素排出量評価事業<特別会計>
 (事業活動に伴うエネルギー起源二酸化炭素排出自主管理促進事業のうち)
・(新)産業廃棄物処理業リ・スタイル化計画推進事業費
12

100

 40
( 8)

 ( 0)

( 0)

[2]環境研究・環境技術開発の促進
 ナノテクノロジーを活用した環境技術の開発、温室効果ガスの観測用衛星センサーの開発を進めるとともに、温室効果ガス濃度安定化技術、次世代を担う廃棄物処理技術、自然共生化技術等を対象とした競争的資金の拡充や、民間企業等を対象とした試験研究税制の拡充により、環境研究・環境技術開発の促進を図ります。また、中小企業やベンチャー企業などによる環境技術の市場への普及促進に向け、環境技術の環境保全効果等についての客観的な実証システムを試行実施します。
【主な予算措置】 百万円 百万円
・(新)ナノテクノロジーを活用した環境技術開発推進事業
・環境研究総合推進費(競争的資金)
・廃棄物処理等科学研究費補助金(競争的資金)
・衛星搭載用観測研究機器製作費
・(新)環境技術実証モデル事業
300
3,730
1,150
 321
250
( 0)
( 3,660)
( 1,050)
( 250)
( 0)
【主な税制措置】
・試験研究費総額の一定割合の税額控除制度を新設
・民間企業が公的研究機関等と連携して行う共同・委託研究について、産学官連携促進特別試験研究税額控除制度を新設