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[キーワード]温暖化被害評価の分析手法、温暖化被害関数、市場的被害・非市場的被害、費用便益分析、多地域動学的最適化モデル

[S-4 温暖化の危険な水準及び温室効果ガス安定化レベル検討のための温暖化影響の
総合的評価に関する研究]
2.影響予測の高度化及び経済評価に関する研究
2−6地球環境政策オプション評価のための環境・資源統合評価モデルの開発に関する研究
(1)気候政策のマクロ的経済評価に関する研究(H20年度からH21年度)

旧1)政策シミュレーションとその評価に関する研究(平成17年度からH19年度)[PDF](414KB)

※H20年度の研究体制再編に伴い、H20年度から(1)へ統合

 東北大学

 

 大学院経済学研究科

林山泰久

 大学院経済学研究科

森杉壽芳

 大学院生命科学研究科

中嶌一憲(平成20〜21年度)

 統計数理研究所

 

 数理・推論系

吉本敦

  [平成17〜21年度合計予算額]16,250千円
(うち、平成21年度予算額 5,201千円)
※予算額は、間接経費を含む。

[要旨]

本研究の目的は、日本を個別地域として扱った多地域動的最適化モデルを構築し、温室効果ガス排出が環境および経済活動に及ぼす影響について、費用便益分析の観点から気候安定化政策シナリオをマクロ経済的に評価することである。また、S-4全体で理論的整合性を保った経済評価を行うために、各サブテーマにおける個別分野の経済評価に対して、経済評価手法の整理及び評価手法の提案を行うことを目的とする。
まず、政策評価のための基礎的研究として、温暖化の被害評価に関する既存研究のレビューから、温暖化影響項目毎の貨幣評価原単位を整理した。また、割引率に関するレビューにより、現実を反映するようなマクロ経済成長モデルの割引率が3%から5%の範囲にあるような純粋時間選好率と限界効用弾性値の組み合わせが妥当であることが示された。さらに、個別分野の経済評価に対して、適切な経済評価手法の提案を行った。シナリオの費用便益分析を行った。その結果、意思決定基準を用いて気候安定化シナリオの評価を行った場合、全球規模ではいずれの意思決定基準を用いても最も緩い政策シナリオが選択されるのに対して、日本ではより悲観的な立場を重視する意思決定基準が用いられることによって、より厳しい政策シナリオが選択される結果となることが示された。また、被害関数に関する感度分析からは、被害が大きくなるほど、日本や欧州ではより厳しい気候安定化シナリオさえも効率的になることが示された。