検索画面へ Go Research



[キーワード] 土砂災害、ハザード、リスク評価、GIS、経済損失

[S-4 温暖化の危険な水準及び温室効果ガス安定化レベル検討のための温暖化影響の
総合的評価に関する研究]
2.影響予測の高度化及び経済評価に関する研究
2−5.沿岸域における気候変動の複合的災害影響・リスクの定量評価と適応策に関する研究

(5)温暖化に起因する海面上昇と豪雨災害による海岸・河川沿岸域の経済的損失評価[PDF](414KB)

 九州大学 大学院 工学研究院

陳 光斉

 <研究協力機関>

 

 九州大学 大学院 工学研究院

三谷泰浩

  [平成17〜21年度合計予算額]46,598千円
(うち、平成21年度予算額 8,550千円)
※予算額は、間接経費を含む。

[要旨]

H17年度〜H19年度にかけて、(1)台風の強さによる経済損失を推定するモデルを確立し、モデル地域において温暖化による台風リスクの増加を推定した。(2)豪雨と地震との複合影響を考慮した斜面災害リスクの評価手法を開発し、2005年福岡県西方沖地震による志賀島の崩壊斜面に適用した。(3)広域における斜面崩壊確率の評価手法を開発し、福岡県における降雨による斜面災害ハザードマップとリスクマップを作成した。(4)九州地方地盤情報データを活用し、3082本のボーリングデータによる福岡県の地盤地質を細分類し、貫入試験のN値から地盤強度の粘着力と摩擦角を推定して、より精度の高いハザードマップを作成した。(5)提案したリスクマップの作成における改良および精度検証に関する研究を行った。以上の研究成果を踏まえて、H20年では、(1)本研究で提案した「斜面災害リスクマップの作成手法」による全国の斜面災害リスクマップを作成するために、経済損失の推定に必要な主な資産データを整備した。(2)全国の43の都道府県における豪雨による斜面災害ハザードマップを作成した。(3)メッシュサイズの影響を検討するために、北九州市において1kmメッシュと100mメッシュを用いて、ハザードマップとリスクマップを作成し、過去の崩壊データおよび急傾斜地崩壊危険箇地カルテによる精度検証を行った。詳細な防災計画を検討するために、100mメッシュによる計算が必要ということが分かった。H21年では、(1)温暖化に伴う豪雨頻度の増加による斜面災害リスクの増加を推定するために、全国のアメダスにおける観測された日降水量データを活用し、地域気候モデルで予測された今後豪雨の変化データに基づいて、現段階、今後30年、50年と100年の日本全域における日降水量100mm以上となる豪雨の異常気候マップを作成した。(2)温暖化に起因する豪雨の年間出現頻度の増加を考慮して、日本全域における豪雨による斜面災害リスクマップを作成し、斜面災害リスクの増加を定量的に評価した。