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[キーワード] ウェブカメラ、海岸ゴミ被覆面積、セスナ機空撮、バルーン空撮、漂流物の準リアルタイム検出

[D-071 市民と研究者が協働する東シナ海沿岸域における海岸漂着ゴミ予報実験]

(4)空撮による漂流ゴミ収束域の調査[PDF](402KB)

 独立行政法人産業技術総合研究所
地質情報研究部門 沿岸海洋研究グループ

馬込伸哉

 <研究協力者>

 

独立行政法人産業技術総合研究所 地質情報研究部門
沿岸海洋研究グループ

高橋 暁

 愛媛大学沿岸環境科学研究センター

加古真一郎

  [平成19〜21年度合計予算額] 30,168千円(うち、平成21年度予算額 11,986千円)
※予算額は、間接経費を含む。

[要旨]

 五島列島大串海岸に設置したウェブカメラによって、漂着ゴミの90分毎の画像データを一年半にわたって蓄積した。そして、サブテーマ(1)と共同で、漂着ゴミの海岸被覆面積の時系列を算出するシステムを開発した。これによって、漂着ゴミは海岸において単調に増加するわけでも、また減少するわけでもなく、一カ月程度の時間スケールで大きく増減を繰り返すことが明らかになった。つづいて、HFレーダーを用いた漂流物の洋上集積情報(サブテーマ(3))の精度検証を行うべく、夏季の大潮期にセスナ機による洋上撮影を実施した。特に、風圧流の影響を受けやすい発泡スチロールと、受けにくい自然漂流物(流れ藻等)の、撮影日における空間分布を求めた。発泡スチロールの分布は、レーダー観測が予想する集積水域に整合しなかった。しかしながら、風圧流の影響を受けにくい自然漂流物の発見場所は、予想された集積位置に整合していた。これによって、表層海流を計測するHFレーダーを用いた漂流物の集積情報は、風圧流の影響を受けやすい漂流物では精度が落ちるが、風圧流の影響を受けにくい漂流物の集積情報には十分に有効であることが証明された。さらに、船舶曳航型バルーンおよびセスナによって海面を撮影し、画像の色彩をCIELUVのUV座標上で第1〜第4象限に分類して、第3象限を海、第1象限を海ゴミとする簡易な方法より、画像から準リアルタイムで漂流物を自動検出する手法を開発した。この検出方法を、2009年9月に鹿児島周辺に大量に漂流した流木の航空写真画像に適用して有効性の検証を行った。また、空間解像度の粗い人工衛星の画像データに対しては、近赤外領域の波長帯を用いた検出が有効であることを示した。