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[キーワード] 排水処理、温室効果ガス、メタン、亜酸化窒素、排出係数

[B-071 廃棄物分野における温室効果ガスインベントリの高度化と削減対策の評価に関する研究]

(2)我が国の排水ストリームにおける炭素・窒素フローの評価とCH4およびN2Oの削減対策の評価[PDF](444KB)

 大阪大学工学部

池道彦

 

惣田訓

 <研究協力者>

 

 

吉見勝治

 

澤村啓美

  [平成19〜21年度合計予算額] 18,201千円(うち、平成21年度予算額 5,600千円)
※予算額は、間接経費を含む。

[要旨]

  排水処理分野からの温室効果ガス排出挙動は、処理施設の種類および排水性状によって異なることから、それらに基づき、@産業排水の処理に伴う排出、A生活・商業排水の処理に伴う排出(終末処理場)、B生活・商業排水の処理に伴う排出(生活排水処理施設(主に浄化槽))、C生活・商業排水の処理に伴う排出(し尿処理施設)、D生活排水の自然界における分解に伴う排出、の5つに大別されている。各処理にはCH4、N2O排出特性の異なる多様な処理技術・システムが含まれているが、既存のインベントリデータが十分には整備されておらず、技術・システムごとの排出係数の算定はなされていない。そこで、様々な処理施設における温室効果ガス排出係数を文献調査、ヒアリング調査、実測によって、明らかとすることを試みた。産業排水処理施設のCH4排出量算定には、排水原水の組成と生物処理槽への流入濃度を明確にする必要があることが明らかとなった。し尿処理施設に関する解析から、反応槽が複数の施設では単一の施設よりもN2O
排出係数が高くなることが示された。コミュニティ・プラントでの調査では、N2Oが検出されず、近年の運転・管理技術の向上により排出係数が低下している可能性が考えられた。終末下水処理場に関する解析においては、A2O法のような窒素除去プロセスでは、CH4排出量を抑制することができ、適切に硝化と脱窒が進行すれば、N2O排出量も小さくなることが示唆された。また、下水道統計等に基づく資料調査の結果、標準活性汚泥法、嫌気好気活性汚泥法などの終末処理場におけ
る様々な処理プロセスは、富影響化指標と地球温暖化指標がトレードオフの関係にあることが示唆された。