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[キーワード] 廃棄物分野、亜酸化窒素、焼却、野焼き、埋立地

[B-071 廃棄物分野における温室効果ガスインベントリの高度化と削減対策の評価に関する研究]

(1)我が国の廃棄物ストリームにおける窒素フローの評価とN2O およびNH3 の削減対策の評価[PDF](475KB)

 龍谷大学理工学部

占部武生・石垣智基

  [平成19〜21年度合計予算額] 25,373千円(うち、平成21年度予算額 7,888千円)
※予算額は、間接経費を含む。

[要旨]

  一般廃棄物約4900 万t(H18)のうち窒素含有量は約22 万t(0.45%)と見積もられた。直接埋立 と中間処理残さ埋立により681 万t の廃棄物が埋め立てられ、その内の窒素量は8700 t(0.13%)と算出 された。直接埋立物中の窒素は収集廃棄物中窒素の2.7%に過ぎないが、埋立物中窒素の68%近くを占めることが明らかにされた。将来的な廃棄物管理の高度化による窒素ストリームの変化について追跡する必要性が示された。処分場の安定化の進行に伴い、時間経過とともにメタン排出量が漸減していることが示された。実測値から一次減衰速度を算出したところ0.06-0.16 /年となり、パラメータの地域分類の再検討の必要性が示唆された。埋立地からのN2O 排出はきわめてまれであり、ごく一部で確認された排出も、CO2 換算でCH4 の1/10 から1/100 程度であった。埋立地N2O の発生由来はサイト毎に嫌気的反応と好気的硝化反応での生成に分類された。埋立層の環境変化に応じた長期的な排出挙動について知見集積が必要である。国内埋立地覆土でのCH4 酸化率は16%と算出されたが、係数は一定ではなく安定化進行に伴うCH4 排出量の低下による酸化率の増加が示された。一般廃棄物焼却施設におけるN2O、CH4 の濃度および排出係数は既報に比べて1 桁以上低いことが明らかにされた。これはダイオキシン類対策による燃焼温度・滞留時間など維持管理の高度化によるものと推測された。N2O排出に関係する項目として燃焼温度が挙げられたが、施設により測定位置が異なることに留意すべきである。産業廃棄物の大型焼却施設は一般廃棄物と同程度の排出量であった。野焼きを模した燃焼実験において、くすぶり状から小炎燃焼への移行でCO2 が上昇した。RDF(ごみ固形燃料)の場合小炎燃焼でNOx が急増した他、加湿して燃焼させることによりくすぶり状態から小炎燃焼への移行でもCO2 の増加が確認された。