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[F−5 サンゴ礁における生物多様性構造の解明とその保全に関する研究]

(1)サンゴ礁生態系の生物多様性構造の解明に関する研究


��サンゴの遺伝的多様性の解明に関する研究


[研究代表者]

琉球大学理学部海洋自然科学科

●日高道雄

[琉球大学]

理学部海洋自然科学科

●日高道雄、傳田哲郎

遺伝子実験施設

●中島裕美子


[平成9-11年度合計予算額]

7,236千円

(平成11年度予算額2,291千円)


[要旨]

 サンゴ精子より抽出したDNAを用いて、7種のサンゴについてrRNA遺伝子のITS領域の塩基配列を決定した。ITSの長さはイシサンゴの代表的な種間で異なっており、ITS塩基配列は属以下のレベルでの系統解析に有効であった。
 沖縄のサンゴの多くは、SSUrRNA遺伝子のRFLP解析によるタイプ分けでタイプCとされる褐虫藻を共生させているが、今回タイプAの褐虫藻も見つかった。LSUrRNA遺伝子のSSCP解析により、9種のサンゴから15の異なる遺伝子型の褐虫藻が見つかった。サンゴ1群体が少なくとも2〜3種類の褐虫藻を共生させていると考えられる。同一群体由来の枝を異なる光条件で飼育した場合に、SSCPパターンが異なる場合があり、光条件により褐虫藻の遺伝子型組成が変化することが示唆された。
 沖縄、ハワイ、タイの3地域より採集したサンゴに共生する褐虫藻間の系統解析を、褐虫藻を親から受け継ぐサンゴと毎世代外界から獲得するサンゴ間の違いに着目して行った。得られた52のrRNA遺伝子ITS1配列について解析した結果、一部のサンゴの褐虫藻はクラスターを形成し、種特異的あるいは地域特異的であるように見えたが、多くの褐虫藻は多分岐を示した。褐虫藻のITSは系統解析に十分な情報を与えるほど変異がないと考えられる。褐虫藻を親から受け継ぐサンゴにおいても褐虫藻の系統関係が宿主の系統を反映していないことから、これらのサンゴも成群体になるまでの間に外界から新たな褐虫藻を受け入れている可能性が示唆された。
 クサビライシ属の個体ゲノムDNAから単離したマリナー様配列をシークエンスした結果、与那国蚕のマリナー様配列と非常に高い相同性を示した。今回のサンゴから単離された配列は、転移に必要とされる酵素(トランスポゼース)の完全なORFをもっていることから、転移可能な活性型配列であることが強く示唆された。


[キーワード]

 サンゴ、褐虫藻、共生、多様性、トランスポゾン