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[F−5 サンゴ礁における生物多様性構造の解明とその保全に関する研究]

(1)サンゴ礁生態系の生物多様性構造の解明に関する研究


��造礁サンゴ群集の多様性構造の解明に関する研究


[研究代表者]

中央水産研究所黒潮研究部生物生産研究室

●藤岡義三

[水産庁中央水産研究所]

黒潮研究部 生物生産研究室

●藤岡義三


[平成9-11年度合計予算額]

8,842千円

(平成11年度予算額 3,050千円)


[要旨]

 八重山列島石垣島周辺海域において、造礁サンゴ群集の多様性構造を調べた。約1haの群集内に最大132種が生息するなど、著しく高い種多様性が認められた。 平均被度はコユビミドリイシ群集、クシハダミドリイシ群集、チビアザミサンゴ群集などでは高く、群集ごとに異なった空間構造を示 した。出現種数や被度は礁原部では内側から外側に向かって増加し、礁斜面上〜中部で極大値に達した後、礁斜面を下るにつれ減少し た。種多様度指数はこの勾配に一致しない場合があり、複数種が同所的に共存する群集で高かった。内側礁原部ではキクメイシ科、ハマサンゴ科、コモンサンゴ属が、外側礁原部〜礁斜面上部ではミドリイシ属が、礁斜面中〜下部ではウミバラ科、ヒラフキサンゴ科、 ビワガライシ科が優占した。浅海域において比較的高い多様性が維持されているのは、北限近くに位置する南西諸島のサンゴ礁の最大の特徴であると考えられる。各群集間の類似性は、チビアザミサンゴ群集が他の群集と大きく乖離しており、内側礁原部のキクメイシ群集とコブハマサンゴ群集、礁斜面中部のキッカサンゴ群集とツツミドリイシ群集などが弱いまとまりをみせた。種数一面積曲線は対数曲線に近似された。モニタリング定点における加入群体数はミドリイシ属を中心に増えつづけ、さらに外側礁原部ではハナヤサイサンゴ属が、内側礁原部ではハマサンゴ属が、それぞれ高い割合を占めた。1998年夏に起こった白化の影響を受け、モニタリング定点の群体数は激減した。成長の速いミドリイシ属に被害が集中したという特徴は、多様性を高水準で維持するのに効果的であると考えられ、非平衡仮説の妥当性を示唆するものである。


[キーワード]

 サンゴ、サンゴ礁、群集、多様性、白化