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[研究代表者] |
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国立環境研究所 地球環境研究グループ 海洋研究チーム |
●功刀正行 |
[環境庁国立環境研究所] |
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地球環境研究グループ 海洋研究チーム |
●功刀正行、原島 省 |
17,080千円
(平成11年度 8,840千円)
商船に搭載するための連続濃縮捕集システムを開発し、本システムを用いて同一海域を頻繁に航行するフェリーを観測プラットフォームとする有害化学物質による海洋汚染観測態勢を確立した。同一海域を頻度高く観測することにより、有害化学物質による海洋汚染の動態の把握と解析を行った。商船は一般に効率を優先するために、本研究に必要なような比較的規模の大きな新たな観測機材を設置するスペースは少ない。我々は、平成7年度〜9年度において実施した地球環境研究総合推進費による研究において、比較的設置スペースに余裕のあるフェリーに搭載するための達続濃縮捕集システムを開発し良い結果を得た。今回はこの経験をもとに新たに搬入・搬出が容易でかつ限られた設置スペースに対応可能な汎用型商船搭載用有害化学物質自動連続濃縮捕集システムを開発し、平成10年12月から平成12年3月まで瀬戸内海を航行するフェリー「さんふらわあ あいぼり」に同システムを搭載して計11回の海水中有害化学物質の観測を行い、同システムの有用性を確認するとともに、同海域における有害化学物質による汚染の動態を解析した。また、平成7年からの研究で、有害化学物質の種類によっては大気から海洋への負荷が大きいことが示唆されたことを受け、平成11年3月からは同海域における大気中有害化学物質の観測をあわせて行った。これらの観測では、平成7年度から9年度に実施した大阪−那覇間での観測と同様にほとんどすべての観測でα−HCHおよびβ−HCHが検出された。大阪−那覇間の観測では、β−HCHの濃度変動は小さかったが、瀬戸内海の観測では大きな変動が観測された。特に1999年9月以降は継続して比較的高濃度が維持されていた。α−HCHは、空間的にも時間的にも変動が大きく、海水中での残留時間が短いことが示唆された。γ−HCHは、ほとんどの観測で検出されているが検出限界に近い濃度の場合が多い。各異性体の存在比は、観測地点、時間で大きく変動していた。大気中のHCH類はα−HCHおよびγ−HCHがすべての捕集試料から検出されたが、β−HCHはほとんどの試料でブランクレベルであった。クロルデン類、ノナクロル類は観測の半数以上が検出限界以下であり、海水、大気ともに変動が大きかった。1999年9月以降のβ−HCHの高濃度は台風により大きく撹拌され、底泥に蓄積されていたものの回帰と考えられ、海水中のα−HCH、γ−HCH、クロルデン類、ノナクロル類の濃度変動は大気中のそれぞれの濃度と相関があり、大気一海洋間の交換がかなり早いと考えられる。これらの結果から、海洋における有害化学物質による海洋汚染の動態の把握には高頻度の観測が不可欠であること、HCHs、クロルデン類を観測することにより観測地点・時点で支配的な起源推定が可能であることが明らかとなった。
有害化学物質、有機ハロゲン化合物、時間変動、空間変動、東アジア海域、POPs