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[研究代表者] |
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国立公衆衛生院労働衛生学部 |
●内山巌雄 |
[厚生省国立公衆衛生院] |
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労働衛生学部 部長 |
●内山巌雄 |
主任研究官 |
●荒川はつ子 |
職業性疾患室 |
●村山留美子 |
地域環境衛生学部 環境評価室 |
●渡辺征夫 |
環境健康影響室 |
●後藤純夫 |
(委託先) |
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埼玉大学工学部 |
●坂本和彦 |
30,776千円
(平成11年度予算額 10,051千円)
酸性雨原因物質の排出抑制のため、重慶市において脱硫効果が高く燃焼効率の良いバイオブリケットが実用化を推進している。その効果を評価するためには、地域や家庭の大気環境、室内環境の改善状況を評価するのみでなく、住民の健康状況の改善を調査して評価することが重要である。本研究では平成10年3月から12月まで9ヶ月間バイオブリケットを実際の家庭で使用し、その前後に室内外の汚染物質の測定、および健康調査を行った。
健康調査は上記龍井村の81世帯をバイオブリケット使用群、同興村の95世帯を従来の石炭を使用する対照群として、バイオブリケットを9ヶ月間使用してもらい、使用前と使用後の2回行った。鼻咽喉検診では、特に屋内にいる時間が長い成人女性において陽性所見数はバイオ使用群では著しく減少したのに比較して、対照群では一部を除きほとんど変化がなかった。肺機能検査では特に変化は認められなかった。
対象地域の南岸区龍井村、北陪同興村の室内外の汚染物質の測定では、二酸化硫黄、粒子状物質濃度が著しく高く、しかもいずれも室内濃度が室外濃度よりも高かった。粒子状物質のイオン濃度はSO42-、NH4+の濃度が著しく高く、酸性度が高いことが示唆された。以上より、重慶市の住民の大気汚染物質の曝露は調理用石炭による屋内汚染からの寄与も大きく、バイオブリケット使用による対策が急務であると思われた。バイオブリケット導入による汚染物質の低減効率の計算や低減効果の評価を行いSO2の低減率は85%と有効であったが、塩化水素はバイオマスの種類によって低減効果はばらつきがあった。またバイオブリケット使用により、屋内のSO2濃度は5.08mg/m3から0.79mg/m3に低下し有効性が確かめられた。
以上よりバィオブリケット使用により、屋内空気の汚染状況は著明に改善し、成人女性の鼻咽喉の炎症所見は著明に改善したが、子供は改善傾向が認められたものの有意差はなかった。また肺機能も変化がなかった。これは観察期間が9ヶ月と短かったたことが大きな要因と考えられる。短期間の観察とはいえ、バイオブリケット使用により、屋内汚染、炎症所見は改善することが明らかであり、バイオブリケット普及のために健康影響の改善も十分な動機付けとなると思われた。
重慶市、酸性雨、バイオブリケット、二酸化硫黄、健康影響