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[C-3 東アジアにおける酸性雨原因物質排出制御手法の開発と環境への影響評価に関する研究]

(1)東アジアにおける酸性雨原因物質排出制御手法の開発と環境への影響評価に関する研究

�∋誓�雨原因物質の排出制御技術の実用化に関する研究


[研究代表者]

 

国立環境研究所大気圏環境部大気反応研究室

●畠山史郎

[環境庁 国立環境研究所]

大気圏環境部大気反応研究室

●畠山史郎

(委託先) (社)国際善隣協会 環境推進センター

●王青躍、北村必勝、新井哲也


[平成9〜11年度合計予算額]

102,962千円
(平成11年度予算額 32,848千円)


[要旨]

 中国中央政府直轄最大都市重慶市では、高硫黄含有率(約2〜6%)の石炭を民生ならびに産業用の主要な燃料として、年間約2,533万トン(1999年)が消費され、森林枯損、農業被害、建造物の腐食などの酸性雨被害が顕現化し、呼吸器系疾患による死亡率は中国全域の平均と比較して約3倍であるなど健康被害も顕著である。それらは小規模低層大気汚染(中小工場ボイラー、民生用炉)による石炭燃焼から放出される二酸化硫黄(SO2)と粉塵による影響が大きいと確認されている。このため、重慶市では、燃料使用量を低減すると共に、都市部におけるSO2と煙塵による小規模低層大気汚染からの酸性雨原因物質の排出抑制ならびに住民の健康保護対策が急務となっている。
 また、中国において、一般的に利用されている湿式選炭技術は、その立地に水資源が必要であり、設備コストがかさみ、高含水スラッジ、廃水処理施設など、プロセス上の複雑さ等の問題から、石炭の選炭率は20%しか達しておらず、大部分の石炭が未処理のまま市場に流通している。そのため自国産の低品位炭(高硫黄・高灰分)にエネルギー源を求めざるを得ない中国などの開発途上国では、石炭燃焼に起因する深刻な大気汚染が生じている。したがって、水資源を必要とせず、設備、ランニングコストなどの面から中国に適合する乾式選炭技術の普及は緊急かつ重要な課題であり、その開発と技術協力に関して、我が国の石炭関連産業にかける期待は極めて大きい。
 本研究では、上記のような環境問題を解決するために、バイオブリケット技術の実用化と静電気を利用した乾式選炭装置の開発を行ってきた。
 バイオブリケット技術に関しては、1995年度〜1996年度にかけて、重慶市における民生用石炭からの酸性雨原因物質の排出抑制対策技術として、現地実用化を目指した製造技術及び燃焼技術を確立し、現地への実証プラントを日中共同で建設した。本研究では、1997年度より現地実証プラントにおいて、これまでの研究の継続としてバイオブリケット技術の現地化を推進するために、燃焼時に硫黄固定、脱硝、脱塵が可能な重慶製のバイオブリケットを開発し、日中共同による特性評価研究を実施し、その高い環境効果並びに経済性効果が確認された。
 さらに、1997年度より新たに静電気を利用した乾式選炭装置を開発し、その選炭効果を国内で実験・評価した。また、硫黄分の高い低品位石炭が産出される重慶市南桐炭鉱に乾式選炭研究装置を導入し、技術移転をすると共に、日中共同による選炭実験を実施している。その結果、一般的な湿式選炭に比べて、脱硫率及び脱灰率ともにやや低いが、中国側の要求する数字に達しており、低コストが示され、また選炭特性パラメータの最適化によって向上することが可能である。


[キーワード]

 酸性雨原因物質、中国重慶市、バイオブリケット、硫黄固定効率、乾式選炭技術