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[研究代表者] |
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農林水産省 草地試験場 環境部 土壌物質動態研究室 |
●渋谷 岳 |
[農林水産省 草地試験場] |
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環境部 土壌物質動態研究室 |
●渋谷 岳(現 草地試験場 山地支場) |
●野中邦彦(現 野菜・茶業試験場 茶栽培部) |
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●川内 郁緒(現 九州農業試験場 畑地利用部) |
8,438千円
(平成11年度予算額 4,057千円)
家畜ふん尿の処理利用過程や施肥に伴って草地から放出される温室効果ガスの動態及び発生実態を把握し、草地畜産における温室効果に関する環境へのインパクト評価、並びに今後、集中的に実測・研究の必要な事項の明確化を行い、地球環境保全に資することを目的とする。
そこで、91、95、96、97、98年に通年測定した採草地におけるCH4、N2Oフラックスデータ、及び家畜ふん尿(牛スラリー)施用時のガスフラックスデータ、九州農業試験場畑地利用部生産管理研究室、北海道立根釧農業試験場土壌肥料科の協力により提供された測定データに基づき、環境庁地球環境研究総合推進費B-2-(4)-②「草地における温室効果微量ガス放出量の解明に関する研究」において作成した排出係数インデックスの改訂を行い、さらに対策技術として検討した家畜ふん尿(牛スラリー)の施用方法や施肥窒素肥料の種類変更に関するインデックスを作成した。
また、平成9年度に完了した環境庁地球環境研究総合推進費B-16-(3)「草地における温室効果微量ガスの動態と制御技術」において計画した、施肥時のN20放出量低減化に有効な施肥管理方法とスラリー圃場還元時のCH4、N2O放出量低減化に有効なスラリー貯留前の撹拌曝気処理方法について、コスト調査を行った。その結果、施肥時のN2O放出量低減化では、従来の慣行肥料を用いた施肥管理方法に比べてN2O放出量は低減するが、肥料代は約17〜51%増となった。一方、スラリー貯留前の撹拌曝気処理には、年間コストが約200万円程度かかることを示した。
さらに、採草地に関係した改訂したインデックス、国内草地のCH4、N20放出量インベントリー、地球温暖化係数(GWP)を使用して、草地畜産の温室効果へのインパクト評価を行った。その結果、大きなインパクトを有するのは、窒素肥料、家畜ふん尿(スラリー)であることが示され、これらが集中的に実測・研究の必要な事項となる、と考えられた。
草地、亜酸化窒素、メタン、窒素肥料、家畜ふん尿