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[B−16 地球温暖化抑制のためのCH4、N2Oの対策技術開発と評価に関する研究]

(8)家畜及び家畜糞尿処理におけるCH4、N2O排出量推定に関する研究


[研究代表者]

農林水産省畜産試験場 栄養部 反すう家畜代謝研究室

●寺田文典

[農林水産省 畜産試験場]

 

栄養部 反すう家畜代謝研究室

●寺田文典、永西 修、田鎖直澄

飼養環境部 廃棄物資源化研究室

●田中康男、長田 隆、鈴木一好、和木美代子


[平成11年度合計予算額]

3,904千円

(平成11年度予算額 3,904千円)


[要旨]

 我が国およびアジアからのメタン(CH4)および亜酸化窒素(N2O)発生量推定手法の改善を図るため、低質飼料主体の飼養条件下における家畜からのCH4放出量の測定データを収集するとともに、家畜排泄物取り扱いの過程において発生するCH4、N2Oの発生原単位について検討した。
(1)家畜由来CH4の発生量推定精度の改善にむけての基礎的データを収集するために、ヤギおよび水牛によるCH4発生量の測定実験を実施した。その結果、①稲ワラを主体とした低質飼料を摂取しているヤギからのCH4発生量は乾物摂取量当たり30.4±7.5L,可消化有機物当たり53.2±9.3Lであり、良質乾草を主体とした場合に比べて幾分増加する傾向にあることが示された。また、アンモニア処理によってCH4発生量は増加したが、尿素処理の場合には増加しなかった。解繊などの物理的処理による効果も認められなかった。②水牛からのCH4発生量は、乾物摂取量当たり18.8L、総エネルギー摂取量に対する割合は4.2%であった。
(2)糞尿処理過程からのCH4、N2O発生量の原単位の検討においては以下の結果が得られた。①豚糞堆肥化過程において発生するCH4およびN2O揮散総量は通気量との間で相関が高く、特に、通気量が20L(Lm-3min-1 以下Lと略す)程度の場合に比べ、60Lの場合ではCH4とN2Oの揮散量は1/5〜1/20と低く抑えられていた。また、N2Oの発生は堆肥化混合物中に含有される硝酸・亜硝酸態窒素の総量との間に高い相関が見られた。②適切な通気条件下では、1mm3の糞尿堆積物の処理過程から発生するCH4の発生量は5〜15g、N2Oは1〜4g程度と算定された。


[キーワード]

 反芻家畜、豚、糞尿処理、メタン、亜酸化窒素