研究成果報告書 J98H0410.HTM

検索画面に戻る Go Research



(3.01Mb)

[H−4.アジア地域における人間活動による広域環境変化と経済発展の相互影響に関する研究]


[研究代表者]

 

国立環境研究所

●原沢英夫

[環境庁国立環境研究所]

 

地球環境研究グループ温暖化影響・対策

●森田恒幸

社会環境システム部環境管理研究室

●原沢英夫、高橋潔

(委託先)

 

麗沢大学

●小野宏哉

長崎大学

●早瀬隆司

熊本大学

●有吉範敏

(共同研究者)

 

京都大学

●松岡譲

中国自然資源総合考察委員会

●SunJiulin、LieZehui、LuXianhu

インドインデラガンジー研究所

●V.K.Sharma


[要旨]

 アジア地域における発展途上国では、急激な人口増加や経済活動の拡大に伴う人間活動の変化が、基盤となる環境資源の破壊や劣化を招き、貧困の助長など経済・社会状況の悪化させるなど悪循環に陥っている。本研究は、一次産業などの人間活動に伴う広域的な環境変化、その地域の人間居住や社会・経済へ及ぼす影響を把握すること、これらの知見をもとに人間活動一環境変化と社会・経済の相互影響を評価するモデルを構築し、アジア地域に適用することにより、発展途上国が持続可能な発展を実現するためにとるべき環境保全施策を検討することを目的としている。
 初年度においては、1)発展途上国における一次産業を中心とした人間活動の変化と環境変化の相互作用に関わる要因についての解析を行うとともに、2)人間活動一環境変化一社会・経済影響モデルに関する研究事例をレビューし、モデルの基本構造について検討を行った。
 2年度めにおいては、初年度の成果をもとに、1)人間活動一環境変化一社会・経済影響モデルのフレームワークを構築するとともに、それを構成する農業、水資源、健康、及びそれらを結ぶ経済モデルのプロトタイプの開発を行った。2)モデルの開発に併せて、中国、インドの共同研究者と協力して、モデル検証及び適用に際して必要となる環境、社会・経済データを収集し、データベース化を行った。
 最終年度においては、経済モデルを適用することによって、アジアの農業及び食料生産の今後の動向を予測するとともに、農業とも関連の深い水資源問題を検討しうる水資源モデルを開発してアジア地域に適用した。モデルの精度についてはさらに関連要因を取り入れ精度を向上させる必要があるが、一応水需給分析の基礎となるモデルを開発できた。水需要に関しては、中国、インドの研究者と協力して農業、産業、家庭における水消費量などのデータ収集、解析を行ったが、


 水供給に比べると、途上国での水需要データは極端に不足しており、今後の課題となっている。


[キーワード]

アジア地域人間活動、環境変化、社会・経済システム、発展途上国