
|
|
|
|---|---|
(521KB)
|
中央アジアのアラル海地域は年降水量150mm以下の乾燥地域であり、第二次世界大戦後の大規模灌漑の導入による土壌の塩類集積の発生が著しい。研究対象として選んだカザフスタン共和国クジルオルダ州ジヤラガシのコルフォーズにおいては、多くの灌漑農地が塩類集積のために栽培不可能となって放棄されている。放棄地における飽和抽出液の電気伝導度(EC。)は1.5mまでの測定深さに対して、100dS/mに近い値を示した。通常、4dS/m以上の土壌を塩類土壌と称しており、この値は異常に大きい。また、隣接農地においても約20dS/mの値を示し、現在、栽培を行っている農地においても塩類集積がきわめて進んでいる。交換性ナトリウム百分率(ESP)は30%以下であり、ソーダ質土壌(ESP〉15)に分類されるが、可溶性陽イオンのデータから予測される程にはソーダ性が強くなかった。
コルフォーズ内の塩類集積によって放棄された農地に設けた実証圃場において、リーチング水量を4通りに設定したリーチング実験を実施した。リーチング方式は、設定水量を1回で供給する連続湛水方式ならびに何回かに分けて供給する間欠湛水方式とした。その結果、リーチング水量と、リーチング前の土壌ECに対するリーチング後の土壌土壌ECの比で表したりーチング効率との関係は、場所毎に大きな違いを呈したが、平均的には、連続湛水方式よりも間欠湛水方式の場合のリーチング効率が高いことを示した。一方、現地土壌を用いたカラム実験においては、土性の違いによるりーチング効率の違いを検討した。その結果、リーチング効率は、砂質土壌ではりーチング方式の違いでは変わらず、粘質土壌では連続湛水方式よりも間欠湛水方式で高かった。灌漑水の水質の違いが土壌の透水性に及ぼす影響を検討するために、濃度0.5、0.05、0.01N溶液(SAR=10)ならびに蒸留水を用いて、飽和透水係数を測定した。0.5ならびに0.05N溶液の結果には差がなかったが、0.01N溶液ならびに蒸留水の場合には、透水係数が減少した。これは・粘土の膨潤あるいは分散によるものであるが、改良剤としては、石膏のようなカルシウム塩よりも、分散抑制を目的とした凝集剤の効果が高いと判断された。
塩類集積、リーチング、透水係数、土壌改良剤