研究成果報告書 J98G0211.HTM

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[G−2.中央アジア塩類集積土壌の回復技術の確立に関する研究]

(1)塩類集積の現状及び塩類集積土壌の改良に関する研究

� ̄�類集積に関する研究


[研究代表者]

 

国際農林水産業研究センター海外情報部

●松井重雄

(委託先)

 

鳥取大学乾燥地研究センター

●矢野友久

鳥取大学農学部

●本名俊正


[平成8〜10年度合計予算額]

40,246千円

(平成10年度予算額9,678千円)


� ̄�類集積の現状に関する研究


[要旨]

 中央アジア・アラル海沿岸における潅漑農地において急速に進行している土壌の塩類化の現状を明らかにするために、カザフスタン共和国クジルオルダ州の集団農場(旧コルホーズ)の耕作地と放棄地を中心に土壌調査と水質調査を行った。
 その結果、土壌母材はシルダリア川による堆積物であり、同一圃場でも堆積様式はかなり異なる場合が多く、特徴的な点は、塩類集積放棄地は点在ではなく、各ブロック内にまとまって出現していること、放棄地は下層が粘土に富む粘質な土壌、耕作地は下層が砂に富む砂質な土壌であり、下層土の土性が塩類集積に大きく関与していることが明らかになった。
 また、集積塩類はナトリウム塩が主体であり、放棄地では塩化ナトリウム換算で表層1mにha当たり100tオーダーの極めて多量の塩が集積していた。比較的近年に開発された新しい耕作地においてもすでにECe=約10dS/m程度に達しており、塩類土壌の基準(ECe=約4dS/m)を大きく上回っていて、栽培条件としてはすでに限界を超えた状況であった。
 粘土鉱物組成の同定の結果、農場一帯の土壌はスメクタイト等の2:1型を主体とすることが明らかになり、リーチングに伴う粘土のナトリウム化と膨潤から透水性の悪化が懸念された。
 また、潅漑水は、河川から取水され潅漑網の末端に届く過程で、塩類濃度(EC値)は倍増し、質的にはナトリウム化が著しかった、地下水濃度は極めて高く潅漑水としての利用は不可能であり、住民の健康にも影響している可能性が高かった。
 このような土壌の塩類化の原因は、ほとんどの潅漑排水路が未整備の素堀りの状態で、多量の潅溜水を利用することに起因している。そのため、集団農場における潅漑農地面積は約1900haのうち、すでに約30%に相当する600haが塩害のために放棄されている。この現実と今回の土壌・潅漑水・地下水・飲料水等の調査と分析結果からは、この地域における塩類化は極めて深刻な状況にあることが明らかであり、農業のみならず、地域住民の生活そのものに大きな影響が及んでいる。現在のような潅漑システムが続く限り、今後土壌の塩類化、さらにアルカリ化はさら


 1本サブ課題は平成8、9年度においては、塩類集積土壌の改良剤に関する研究(サブ課題)ならびに塩類集積の現状に関する研究(サブサプ課題)であったが、平成10年度にサブ課題として統一されたため、本報告書においては、別々に執筆することにした。執筆は、前者については矢野友久(��)、後者については本名俊正(��)が担当した。


に加速されて進行するものと予想される。対象地域は広大であり、多くの困難が予想されるが、長期的展望に基づく抜本的・総合的な改善対策が早急に必要である。


[キーワード]

塩類土壌、塩類集積、土壌劣化、潅漑、水質、中央アジア