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[研究代表者] |
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国立環境研究所生物圏環境部 |
●椿宜高 |
[環境庁国立環境研究所] |
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生物圏環境部上席研究官 |
●椿宜高 |
地球環境研究グループ野生生物保全研究チーム |
●高村健二、永田尚志 |
地域環境研究グループ化学物質生態影響評価研究チーム |
●五箇公一 |
(委託先) |
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筑波大学生物科学系 |
●鷲谷いずみ |
京都大学総合人間学部 |
●加藤真 |
富山大学理学部 |
●辻和希 |
京都大学生態学研究センター |
●山村則雄 |
23,425千円
(平成10年度予算額7,411千円)
異型花柱性植物であるサクラソウおよびシロバナサクラタデを用いた研究から、生育場所の分断孤立化に伴い、送粉昆虫との生物間相互作用の喪失やクローンの孤立化による受粉の失敗により種子生産が制限されたり、生産された種子の発芽能力が低下したりする現象が、現実に生じていること明らかにされた。
日本の南部に点在する島風小笠原諸島、奄美大島、大東諸島、沖縄諸島、先島諸島において、開花フェノロジーと訪花昆虫群集を調査した結果、それぞれの島嶼固有のハナバチ群集が重要な送粉者群集であると位置づけられた。小笠原諸島ではセイヨウミツバチが定着しており、それが小笠原の固有の送粉共生系に大きな影響を与えていることが明らかになった。
ハウス用トマトの花粉媒介用として輸入されているヨーロッパ原産のセイヨウオオマルハナバチは、日本の在来種と交雑できるため、野生化した場合、遺伝的汚染が生じる可能性がある。本研究では、遺伝的汚染をモニタリングするための遺伝的マーカーの探索を行った。また、近年、部生態学者やメーカーが試みている在来のマルハナバチの商品化に伴う問題として、地域個体群の遺伝的撹乱の可能性を考え、在来種個体群の遺伝子組成における地理的変異の検出も試みた。
野生生物の絶滅要因を検討するにあたって、(1)イチジクとそれを餌としかつその送粉者であるイチジクコバチとの相利共生関係、(2)近縁のマダラテントウ類の種間競争(3)捕食者1種と餌種2種のシステムを例にして、個体群の絶滅要因を分析したところ、相利共生関係、競争関係、捕食関係の種間関係が重要な寄与をすることが分かった。
南西諸島と熱帯アジアにおいて、アリ類の社会構造と棲息環境に関する広範な比較研究を行った。自然林では、単女王制・単巣性で小さなコロニーを持つ狭域分布種が優占する一方で、人的撹乱が多く伴う環境では、多女王制・多巣性の大きなコロニーを持つ広域分布種が優占していた。
生息地分断化、共生、侵入種交雑