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[研究代表者] |
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森林総合研究所森林環境部気象研究室 |
●谷誠(現在:京都大学大学院農学研究科) |
[農林水産省林野庁森林総合研究所] |
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森林環境部気象研究室 |
●谷誠、大谷義一、渡辺力 |
水流出管理研究室 |
●野口正二 |
水資源保全研究室 |
●坪山良夫 |
森林災害研究室 |
●岡里樋明 |
立地評価研究室 |
●森貞和二 |
森林生物部腐朽病害研究室 |
●服部力 |
[環境庁国立環境研究所] |
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地球環境研究グル−プ森林減少・砂漠化研究チーム |
●奥田敏統・唐艶鴻・足立直樹 |
(委託先) |
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早稲田大学人間科学部 |
●森川靖 |
マレーシア森林研究所 |
●Abdal Rahim NicZulkifli YusopBaharudein KasranWan Rasidah Wan Abdul Kadir |
47,568千円
(平成10年度予算額14,951千円
熱帯林の環境保全機能とその攪乱への影響予測を行うために、マレーシアの2カ所の熱帯雨林試験地における観測研究を行った。研究は大きく分けて、1)Pasoh森林保護区の観測タワーにおける、長期気象観測蒸発散を含むエネルギー交換推定、2)同タワーにおける二酸化炭素の推定、3)Bukit Tarek試験の水流出特牲、同試験地とゴム園での調査に基づく攪乱の土壌物理性変化への影響評価、4)伐採予定の流域における土壌断面及び化学性の調査に分かれる。1)においては東南アジア熱帯雨林が気候に及ぼす影響解明に必要なエネルギー交換量を推定するとともに、その特性を解析した。すなわち、森林群落のスケールにおいて、環境条件に対して気孔調節によってどのように蒸散を制御しているかについて、そのモデルパラメータである群落コンダクタンスの日射と飽差に対する関係を明らかにした。2)においては、渦相関法による二酸化炭素輸送量の観測を行い、短期間の観測ではあったが、二酸化炭素の吸収源担っているという結果を得た。3)においては、ゴム園に開発された場合、土壌の透水性が低下するなどによって、雨水流出特性が大きく変化することがわかった。また、森旅流域からの流出を降雨から予測するモデルを開発し、流出量及び土壌における雨水貯留量をともに良く再現できるという結果を得た。4)においては、伐採予定の流域において、土壌の断面・化学性の調査を行い、Acrisols、Cambisolsが分布していることなどの結果を得た。本課題におけるこれらの観測・調査結果は、熱帯雨林の環境保全機能を今後広くモデルによって予測するために、重要な基礎を与えるものである。
気象観測、エネルギー交換、二酸化炭素吸収、降雨流出、土壌調査