研究成果報告書 J98D0323.HTM

検索画面に戻る Go Research



(459KB)

[D−3.アジア大陸隣接海域の生態系変動の検知と陸域影響抽出に関する研究]

(2)衛星画像による陸域負荷物質の海洋生態系への影響評価

�6綵�西方〜南西諸島周辺海域におけるクロロフィル分布に関する研究

[研究代表者]

水産庁西海区水産研究所

東シナ海海洋環境部生物環境研究室

●横内克巳

[水産庁西海区水産研究所]

東シナ海海洋環境部生物環境研究室

●清本容子、岡村和麿、長田宏

海洋動態研究室

●中川倫寿

[平成8〜10年度合計予算額]

10,123千円

(平成10年度予算額2,014千円)

[要旨]

 陸起源の負荷物質がクロロフィル-aの分布に及ぼす影響の解明に資する目的で、東シナ海において実施された海洋観測の資料を収集・整理し、クロロフィル、水温、塩分、透明度及び栄養塩類のデータベースを作成した。このデータベースは、東シナ海では過去20年間の25航海(1973〜1992年)、九州西方海域では1993〜1995年の間の冬季と春季の6航海、南西諸島沿岸域では1992年の秋季航海のデータより構成されている。1997年夏季(7〜8月)及び1998年秋季(10月)に東シナ海の大陸棚域及び沖縄舟状海盆においてクロロフィル濃度と関連する海洋観測を実施した。両年とも調査海域は長江起源のブルームと推定される塩分30以下の海域とその周辺の陸棚水に区分されたが、全域で亜表層クロロフィル極大の形成が認められた。表面のクロロフィル濃度は、大半の観測点で低濃度であったのに対し、長江起源の低塩水ではやや高い値を示した。亜表層クロロフィル極大は、長江起源の低塩、低温水とその下層の黄海冷水との間に形成された密度躍層の上部で高かった。周辺の陸棚水でのクロロフィル濃度は、密度躍層内部に亜表層極大が認められ、表層では低かった。高濁度水は海底から密度躍層以深に留まり、海表面までは達していなかった。各測点におけるクロロフィル濃度の鉛直分布を関数に当てはめてパラメータを算出し亜表層極大深度の水平分布を作成することにより、亜表層極大深度が長江起源水から遠ざかるにつれて深くなる傾向を示した。夏季及び秋季の陸棚域においては、陸水起源の低塩水の挙動及び成層構造の地域差がクロロフィルの分布パターンに大きく影響していることが示された。また、観測結果及びデータベースの値を用いた解析によると、低塩水(塩分30以下)の表層におけるクロロフィル濃度は長江河口沖合域に比べて全般に低いレベルであり、大陸起源の陸水から供給された栄養塩の大部分は124°E以西の海域で速やかに植物プランクトン に利用されているものと推定された。

[キーワード]

東シナ海、クロロフィル、水塊構造、データベース