研究成果報告書 J98D0123.HTM

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[D−1.渤海・東シナ海における河川経由の環境負荷が海洋生態系に与える影響評価手法に関する研究]

(2)汚濁物質が海洋生態系・物質循環に与える潜在的影響の評価手法に関する研究

�H�生物活動が沿岸域における陸起源有害金属元素の循環に与える影響に関する研究


[研究代表者]

 

養殖研究所飼育環境技術部環境制御研究室

●高柳和史

[養殖研究所]

 

飼育環境技術部部環境制御研究室

●高柳和史、黒川知子

(委託先)

 

滋賀県立大学

●中山英一郎


[平成8〜10年度合計予算額]

19,988千円

(平成10年度予算額6,299千円)

[要旨]

 1998年5月に東シナ海長江沖に隔離生態系(メゾコズム)を設置しメゾコズム内での(Cd)、コバノレト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、バナジウム(V)、亜鉛(Zn)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)の濃度を測定した。リン酸塩を添加し生物活動を助長したメゾコズム中ではCu、Ni、Asの濃度が時間とともに減少する傾向がみられたが、Mn、Pb、Zn、Sbの濃度は反対に増加する傾向がみられた。形態別のAsの分析においては、海水中のAs(V)濃度が急激に減少し、As(IH)濃度が徐々に増加する傾向が明らかとなった。その他、Mo、Cd、V、Coの濃度はメゾコズム中ではほとんど変化がなかった。植物プランクトンの組成、昨年度行った微生物活動の結果から考察するとリン酸塩を添加したメゾコズム内での一部の有害金属の濃度変動は生物活動が関与していることが示唆された。特に、植物プランクトンが増殖を始める時期には、微生物よりも植物プランクトンが微量金属濃度に大きな影響を及ぼしているようであり、またプランクトン種の相違によりその影響の度合いが異なっているようであった。さらに、メゾコズムの北に長江からの影響を調査するために定点を設け、海水を採取し上記有害金属の濃度を測定した。カドミウム濃度範囲はCdが0.1から0.4nMの範囲、Coが1から13nMの範囲、Cuが9.1から17.3nMの範囲、Feが21から2631nMの範囲、Mnが18から93nMの範囲、Moが3から8nMの範囲、Niが1.5から11.8nMの範囲・Pbが0・0から1.4nMの範囲、Vが11から19nMの範囲、Znが38から90nMの範囲、Asが22.0から25.9nMの範囲、Sbが1.19から2.07nMの範囲であった。これら観測点での金属の濃度はPb、Zn以外は他の沿岸域と比較してほぼ同程度であり、この時期、陸からの強い影響を受けているようには思われなかった。


[キーワード]

有害金属、物質循環、生物活動、沿岸海洋生態系