研究成果報告書 J98C0122.HTM

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[C−1.東アジアにおける環境酸性化物質の物質収支解明のための大気・土壌総合化モデルと国際共同観測に関する研究]

(2)東アジアスケールの国際共同観測による環境酸性化物質の物質収支に関する研究

国際地上観測による環境酸性化物質の物質収支に関する研究


[研究代表者]

 

国立環境研究所地球環境研究グループ

●村野健太郎

[環境庁国立環境研究所]

 

地球環境研究グループ主任研究官

●村野健太郎

酸性雨研究チーム

●佐竹研一

温暖化現象解明研究チーム

●向井人史

地域環境研究グループ開発途上国環境改善研究チーム

●西川雅高

大気圏環境部大気動態研究室

●福山力

大気反応研究室

●畠山史郎

大気反応研究室

●酒巻史郎

(委託先)

 

福岡県保健環境研究所

●宇都宮彬

長崎県衛生公害研究所

●釜谷剛


[平成8〜10年度合計予算額]

34,841千円

(平成10年度予算額11,472千円)


[要旨]

 大陸からの大気汚染物質の長距離輸送及び環境酸性化物質の物質収支解明のため、離島にある五島で、風向風速、オゾン濃度、SO2濃度、エアロゾル中のイオン成分濃度を通年測定した。また、五島及び九州内陸の福岡県太宰府市の2地点において、冬季にガス・エアロゾル濃度、エアロゾルの粒径別成分濃度について短期間集中観測し、両地点での酸性化現象、酸性化の要因となるエアロゾルの化学形態について比較検討した。
 五島のSO2年平均値は1.2〜2.3ppbであり、長崎県内の大気汚染が低い測定局と同レベルかそれ以下であったが、時間値で、7ppb以上の濃度ピークが観測される期間が認められた。SO42-は年間を通して90%以上が非海塩性のnss-SO42-であり、W及びWNWの風向の期間に、五島ではnss-SO42-濃度が上昇し、大陸からの影響が示唆された。オゾンの月平均値は春季及び秋季に高かった。
 冬季の短期間集中観測から、nss-SO42-は五島及び太宰府の2地点で同様の濃度推移が認められ、大陸からの移流による広域的な影響が示唆された。五島のNH3濃度は0.01μg/m3以下と、太宰府の1/10程度に低く、このことが両地点のエアロゾルの酸性度、化学形態に大きな影響を及ぼしていることが分かった。五島では、エアロゾルの酸性度は太宰府の数倍高く、主にNH4HSO4粒子の存在が確認できた。これら酸性エアロゾルは1.1μm以下の微小粒子として存在し、その高濃度期間ではSO2、HNO3濃度も上昇した。一方、太宰府ではNO3-、NH4+、SO2、NH3濃度が高く、地域的人為汚染の影響が大きかった。大陸からの酸性物質は北西の季節風が吹く期間に、その他の汚染物質と共に五島などの九州北西地域に流れ込み、環境を酸性化させ、九州内陸に輸送されるに従い中和されていく現象が明らかとなった。


されていく現象が明らかとなった。


[キーワード]

東アジア、越境汚染、物質収支、環境酸性化物質、硫酸塩