研究成果報告書 J98C0112.HTM

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[C−1.東アジアの環境酸性化物質の物質収支解明のための大気・土壌総合化モデルと国際共同観測に関する研究]

(1)東アジアスケールの環境酸性化物質の総合化モデルの開発に関する研究

∋誓雨前駆物質の発生量分布とその将来予測に関する研究


[研究代表者]

 

国立環境研究所地球環境研究グループ

●村野健太郎

[環境庁国立環境研究所]

 

地球環境研究グループ主任研究官

●村野健太郎

地球環境研究グループ温暖化影響・対策研究チーム

●甲斐沼美紀子

社会環境システム部環境経済研究室

●森田恒幸

大気圏環境部大気反応研究室

●畠山史郎

(委託先)

 

埼玉大学経済学部

●外岡豊

京都大学工学部

●松岡譲


[平成8〜10年度合計予算額]

35,396千円

(平成10年度予算額9,693千円)

[要旨]

 東アジア各国の酸性雨の被害を防止するためには、その原因物質であるSO2、NOxの発生量の将来予測およびそれらの酸化を支配する揮発性炭化水素の発生量の現状を正確に把握することが重要である。東アジア地域の非メタン揮発性炭化水素(NMVOC)発生量を試算し、発生量をグリット化した。中国でのNMVOC排出量についてはこれまで信頼できる推計がなかったが、燃焼系、蒸発系の固定、移動発生源について排出量を推計した。中国の全人為発生源排出量は14.8TgNMVOCである。うち燃焼系発生源が9割を占めており、蒸発系発生源が8割近くを占めている日本とは好対照である。とくに中国では石炭燃焼からの排出寄与が大きく5割以上を占めているが、これは小規模燃焼機器で還元雰囲気で燃焼しNMVOCが発生しやすいと想定しているからである。次いで農業廃棄物等のバイオマス燃焼からの排出も多く2割を占めている。塗料、石油化学、石油製品取扱い等の蒸発固定発生源からの排出は1.2Tgと小さかった。日本における家畜、肥料からのアンモニア発生量の推定を平成7年度データでアップグレードした。前回(平成3年度データ)と発生量に大きな差は無かった。経済成長モデルと汚染物質排出モデルをリンクさせた新しいモデルを開発した。このモデルを用いて、中国の4つの経済発展のシナリオを仮定したときの、二酸化硫黄と窒素酸化物の将来の排出量をシミュレートした。この結果、中国の二酸化硫黄の排出については、2020年から2030年ごろをピークに排出量が減少する傾向にあるが、窒素酸化物については排出のピークが2030年から2050年にずれることが明らかとなった。


[キーワード]

東アジア、発生源インベントリー、将来予測、揮発性炭化水素、二酸化硫黄、アンモニア