研究成果報告書 J98C0111.HTM

検索画面に戻る Go Research



(735KB)

[C−1.東アジアにおける環境酸性化物質の物質収支解明のための大気・土壌総合化モデルと国際共同観測に関する研究]

(1)東アジアスケールの環境酸性化物質の総合化モデルの開発に関する研究

ヾ超酸性化物質の輸送・変質モデルと大気・土壌総合化に関する研究


[研究代表者]

 

国立環境研究所

●村野健太郎

[国立環境研究所]

 

地球環境研究グループ酸性雨研究チーム

●村野健太郎

大気圏環境部大気物理研究室

●菅田誠治

(委託先)

 

九州学応用力学研究所

●鵜野伊津志

京都大学防災研究所

●植田洋匡


[平成8〜10年度合計予算額]

53,718千円

(平成10年度予算額15,079千円)


[要旨]

 精密な化学反応スキームを用いた物質輸送・変質モデルとトラジェクトリー解析を、数千kmスケールの東アジア地域に適用し、その結果を大気中のエアロゾル観測データと定量的な比較を行い、物質輸送・変質モデルの精度や問題点を検討した、モデルはアイオワ大学で開発されたSTEM(Sulfur Transport Eulerian Model)を用いた。これは従来のわが国の長距離輸送モデル研究には見られない精密な化学反応を含むモデルである。モデルにはHNO3の粒子化(NH4NO3)の反応を含めたものである。冬季と梅雨季のモデル計算から、東アジアスケールの越境大気汚染の特徴として、以下の点が明らかにされた。1)冬季には間欠的に非常に高濃度のSO42-を観測する。1週間に1〜2回の高濃度発現時の輸送過程は非常に類似しており、大陸の高気圧支配下で形成された高濃度汚染物質が、日本南岸域を低気圧が通過した後の北西気流に乗り輸送されエアロゾル濃度の上昇を引き起こすためであることが示された2)梅雨前線の北部には十分に化学反応の進行したSO42-の高濃度汚染気塊が存在し、前線付近には非常に大きな濃度勾配があり、梅雨前線の南北の移動に伴って九州〜西日本域が中国大陸や朝鮮半島起源の大気汚染物質の被われると濃度が上昇すること、逆に、太平洋からの海洋性気団に被われると濃度が減少することが示された。3)規模発生源から離れた地域(50卍度)では、ガス-エアロゾル平衡はほぼ達成されており、平衡達成度は、アンモニア、塩酸、硝酸の順で、また微小粒子の方が良く、このことは、いわゆる「クロリンロス」はガス-エアロゾル平衡として説明できた。相対湿度90%で、粒子中水分量は乾燥重量とほぼ同量になり、さらに高湿度下で指数関数的に増大する。逆に、相対湿度60%では水分率は10%以下になることが示された。


[キーワード]

長距離輸送モデル、サルフェート、ナイトレート、乾性沈着