研究成果報告書 J98B5124.HTM

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[B−51.温室効果ガスの人為的な排出源・吸収源に関する研究]

(2)CH4、N2Oの排出・吸収に関する研究

�ぅ▲献△稜盛銘呂�ら発生する窒素酸化物の抑制技術(国際交流研究)


[エコフロンティアフェロー]

 

InstituteofAppliedEcology(China)

●HouAixin

中国科学院沈陽応用生態研究所

●侯愛新

[共同研究者]

 

[農林水産省農業環境技術研究所]

 

環境管理部影響調査研究室

●鶴田治雄、秋山博子、中島泰弘


[平成10年度予算額]

2,000千円


1.はじめに

 土壌から大気中へ放出される亜酸化窒素(N2O)は、温室効果ガスの一つであり、また同時に排出される一酸化窒素(NO)は、やはり温室効果ガスの一つである対流圏オゾンや酸性雨の原因物質の一つである硝酸ガスの、前駆物質である。とくに窒素肥料を施用した土壌はこれらのガスの主要な発生源の一つなので、その発生を抑制する技術を開発することが必要である。しかし、特にNOについては、その発生要因などはよくわかっておらず、また、野外調査では、フラックスのNO/N2Oの比は、土壌水分量と負の相関があることが推測された。このことは、N2OとNOの発生がトレードオフの関係にあり、これらのガスを同時に抑制することが困難であることを示唆している。


2.目的

 本研究の目的は、土壌水分量が窒素施肥土壌からのN2OとNOの発生に及ぼす影響を、室内培養実験から明らかにすることである。


3.実験方法

 野外調査で推測された土壌水分量とN2OとNOの発生との関係を明らかにするために、3段階の異なる水分条件下(WFPSで40、70、100%)で77日間土壌を一定温度25℃で培養実験し、発生するN2OとNOのフラックスを2〜3日毎に測定した。また、土壌中のNH4+、NO3-濃度も定期的に測定した。なお、土壌は日本の黒ボク土と中国北東部の代表的な褐色土の2種類を用いた(本報告では、前者の結果のみを報告する)。さらに、施用した窒素肥料は、通常の易分解性尿素と緩効性窒素肥料の一つである被覆尿素肥料とを用いた。なお、これらの対照として、窒素肥料を施用しない土壌の培養実験も同時に行った。


4.結果と考察

(1)N2Oのフラックスは土壌水分量が増加するほど増大し、一方、NOは逆に土壌水分量が減少すると増大した。
(2)WFPSが100%ではN2Oだけが発生してNOはまったく発生せず、一方、WFPSが40%ではほとんどNOとして発生し、N2Oはわずかしか発生しなかった。
(3)N2OとNOの実験期間中のガス総発生量(窒素量として)は、どちらの尿素肥料でもほとんど同じであった。しかし、WFPSが40%のときだけは、NOの総発生量は、被覆尿素肥料のほうが通常の尿素より23%だけ少なかった。
(4)窒素肥料施用後の初期においては、被覆尿素肥料のほうが通常の尿素肥料よりもN2OとNOの発生は少なかった。
(5)WFPSが40%から100%までの間で、N2Oの発生量と土壌水分量は正の相関が見られ、NOの発生量と土壌水分量との間には負の相関が見られた。
(6)フラックスのNO/N2Oの比は、広い範囲で土壌水分量と負の相関があり、WFPSが最低値(40%)のときに最大となることが、わかった。
(7)これらの室内培養実験から、土壌水分量のほうが尿素肥料のタイプよりもNOとN2Oの発生に大きな影響を及ぼすことが、明らかになった。


[キーワード]

亜酸化窒素(N2O)、一酸化窒素(NO)、農耕地、窒素肥料、土壌水分量