研究成果報告書 J98B5123.HTM

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[B−51.温室効果ガスの人為的な排出源・吸収源に関する研究]

(2)CH4、N2Oの排出・吸収に関する研究

�G�帯の農耕地からのCH4、N2O発生と肥培管理


[研究代表者]

 

国際農林水産業研究センター環境資源部

●渡辺武


[平成10年度予算額]

4,000千円

[要旨]

 温室効果ガスの1つである亜酸化窒素(以下N2O)について、熱帯農耕地からの発生量の把握と、温帯の農耕地を含めた発生抑制技術の開発を目的として、研究を行った。
 熱帯の農耕地からの発生量把握に関しては、以前よりタイにおいて現地研究者と共同研究を実施しており、今回もタイのコンケンとナコンサワンに試験圃場を設けて、N2Oフラックスを測定した。本研究では、1年間を通じた発生量を高い精度で推定するために、以前の研究でやり残された、雨季開始時から作物栽培を開始するまでの期間と、作物栽培期間中における畝間から発生を中心に、測定を行った。結果は、雨季開始時には大きなフラックスが発生することもあるが、全体としてみれば、その後の作物栽培期間中における窒素無施用土壌からのフラックスと大きな差がなかった。窒素肥料を施用しない畑地土壌からの、雨季を通じた平均フラックスは、コンケンで12.2μgN2O-Nm-2hr-1、ナコンサワンで8.6μgN2O-Nm-2hr-1であった。窒素肥料施用区の畝間からの発生量は、肥料が施用される畝からの発生量よりも少ないが、窒素肥料無施用区の畝からの発生量よりも多かった。本研究で得られたデータと、それ以前の研究成果を合わせることで、熱帯サバンナ気候帯の畑地土壌における通年でのN2O発生量が推定できるようになった。
 農耕地からのN2O発生抑制技術の開発については、肥効調節型肥料と硝化抑制剤入り肥料について、N2O発生抑制効果を尿素と比較して調べた。日本の代表的な畑土壌である黒ぼく土壌を1/2000アールワグネルポットに充填し、上記の肥料をそれぞれ施用して、スイートコーン栽培期間中のN2O発生量を比較した。N2O発生量は、尿素を施用した土壌からのものに対して、肥効調節型肥料では45%であり、硝化抑制剤入り肥料では18%であった。これらの肥料によって、畑地土壌からのN2O発生を抑制できることが示された。


[キーワード]

亜酸化窒素、温室効果ガス、畑地土壌、熱帯地域、肥効調節型肥料、硝化抑制剤入り肥料