研究成果報告書 J98B5121.HTM

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[B−51.温室効果ガスの人為的な排出源・吸収源に関する研究]

(2)CH4、N2Oの排出吸収に関する研究

� ̄�水、廃棄物のCH4、N2O収支に関する現地調査


[研究代表者]

 

国立環境研究所地球環境研究グループ

●稲森悠平

[環境庁国立環境研究所]

 

地域環境研究グループ開発途上国環境改善(水質)研究チーム

●水落元之


[平成10年度予算額]

3,705千円


[要旨]

 温室効果ガスの汚水・廃棄物からの人為的排出ポテンシャルを明らかにする上では、生活活動、産業活動に関連する活動量を知る必要がある。食料自給率の低い我が国においては、大量の窒素あるいは有機物を食料あるいは飼料の形で輸入し、それらが、汚水、廃棄物として環境に排出されている。したがって、これら排出される窒素、有機物が排出される過程での処理の運転操作条件および、環境へ排出された後での形態変化によっては汚水、廃棄物系はCH4、N2Oの排出ポテンシャルの高い、排出源である可能性が高い。しかし、我が国のCH4、N2Oインベントリーでは汚水、廃棄物系の推計範囲および推計精度が極めて低いことが指摘されている。本研究ではこのような状況を鑑み、既設の下水処理場において調査を行い、N2Oの排出実態および、それを基に生成経路について検討した。その結果、N2Oの発生量原単位は人間一人あたり8.33〜11.2(mgN2O-N/capita/day)、流入水1m3あたり21.2〜29.2(mgN2O-N/m3inflow)となったが、放流水に溶存した形で排出されるN2O-N量が、全体の約半分を占めている場合もあり、放流水に溶存しているN2Oがガス態となって排出される可能性が示唆された。また、NO2-N蓄積速度が大きいほどN2O生成速度も大きくなり、NH4-N濃度がNO2-NまたはNO2-N濃度に対して相対的に高い場合はN2O生成速度は増加し、逆に低い場合にN2O生成速度は減少した。したがって、好気条件下におけるN2O生成のほとんどがNH4+酸化およびNO2還元により、このうちNO2の異化的還元反応が主要な機構であることが示唆された。このような知見は我が国の汚水・廃棄物の生物処理の最適操作条件を確立する上での基盤になるものと考えられる。


[キーワード]

メタン、亜酸化窒素、汚水処理、廃棄物処理、生物学的硝化・脱窒反応